段ボールの種類を徹底解説|
用途別の選び方と特徴も紹介

現在、さまざまな業界で利用されている段ボールには、多様な種類があります。梱包したい中身や用途に応じて選び分けるときの参考になさってください。

1.段ボールとは

普段、何気なく利用している「段ボール」ですが、その材質や構造について詳しくご存知でしょうか。ぜひこの機会に確認しておきましょう。

段ボールとは、「段」のあるボール紙のことで、基本は3枚の原紙から構成されています。中央に波形に加工されたボール紙「中しん」を配置し、その上下を平らなボール紙「表ライナ」と「裏ライナ」の2枚で挟む、シート構成が特徴です。この3層構造によって、軽量でありながら高い強度を実現しています。

また、中には片側のライナと中しんのみで作られる「片面段ボール」もあり、用途に応じて使い分けられています。さらに段ボールの強度を決める重要な要素が「フルート」と呼ばれる波形部分です。このフルートの高さや間隔によってクッション性や耐圧性が変わり、梱包する製品に最適な性能を発揮します。当社では、さまざまな規格やオーダーメイド対応も可能ですので、梱包設計や見積依頼の際はお気軽にご相談ください。

2.段ボールの種類

段ボールと一口に言っても、実はさまざまな種類に分かれています。それぞれの材質や構造、用途によって特徴が異なるため、選定時には注意が必要です。

例えば、段ボールの基本構造は「ライナー」と「中しん」で構成されており、このシートの厚みや段の高さによってクッション性や耐圧性が大きく変わります。さらに、A式・B式など箱の形状や開閉方式も異なり、梱包する製品に合わせた選び方が重要です。

また、輸送時の安全性を高めるために、緩衝性や積み重ね強度などの機能も考慮する必要があります。当社では、一般的な規格品に加えて、特注サイズのオーダーメイド段ボールにも対応しています。最適な段ボールを選ぶことで、コスト削減と製品保護の両立が可能です。用途に応じて適切な種類を検討する際の参考にしてください。

2-1.構造の違いによる種類

・片面段ボール...ライナ1枚と中しん1枚を貼り合わせたものです。

・両面段ボール...中しんを1枚、ライナを表と裏に1枚ずつ、合計3枚を貼り合わせたものです。

・複両面段ボール...両面段ボールの片側に、片面段ボールの中しん側(段のあるほう)を貼り合わせたものです。

2-2.フルートの高さによる種類

両面段ボールは、フルート(段)の高さや数によって下記のように呼び方が変わります。

名称:段の高さ、30cmにある段の数

Aフルート:4.5~4.8mm、34±2:JIS(日本産業規格に規定)
Aフルートは、段ボールの中で最も厚みがあるタイプの一つで、クッション性が高く、衝撃吸収能力に優れています。重い商品や壊れやすい商品を保護するのに適しています。

Bフルート:2.5~2.8mm、50±2:JIS(日本産業規格に規定)
Bフルートは、より薄いため印刷適性が良く、表面が滑らかです。段が低い分、Aフルートよりも紙の使用面積が少なく、コストが若干安価になります。軽量の製品や一般的な用途に広く使用されています。

Cフルート:3.5~3.8mm、40±2:JIS(日本産業規格に規定)
Cフルートは、AフルートとBフルートの中間に位置し、強度とクッション性、コストのバランスが取れています。多くの用途で汎用的に使用されています。

Eフルート:1.10~1.15mm、80以上
Eフルートは、非常に薄く、軽量で、印刷適性が非常に高いです。小型の製品や、美粧性の高い印刷を必要とするパッケージに適しています。

Fフルート:0.60~0.75mm、120以上
Fフルートは、Eフルートよりもさらに薄く、より多くのフルートを持ち、非常に滑らかな表面を持っています。高級パッケージやディスプレイ用に使用されることが多いです。

Gフルート:0.50~0.55mm、180以上
Gフルートは、最も薄いタイプで、非常に高い印刷適性を持っています。非常に軽い商品や、美粧性の高い印刷が必要なパッケージに最適です。

A、B、Cフルートは、JIS(日本産業規格)に規定されており、その他のE、F、Gフルートは規定されていません。
一般的に最も多く使われているのが、Aフルートです。段の波の数が30cmあたり34±2個であり、最も段が高いため、強度、衝撃吸収性と圧縮の強さに優れています。一般的に商品の梱包や外箱などに利用されています。

・Wフルートとは
Wフルートと呼ばれるものは、フルートを2重に重ねているタイプです。二重構造になっているため、分厚く、強度に優れます。

2-3.原紙の種類による違い

ライナと中しんに使用する素材によって、用途に必要な強度とコストが変わってきます。原紙の強度は、JIS(日本産業規格)に規定されており、製造時に薬品を添加することなどで保証されています。

Cライナ...強度はKライナよりも劣りますがコストが抑えられます。Bフルートに使用されることが多く、軽量物の包装、仕切りとしての利用がよくされています。

Kライナ...強度はCライナよりも上がります。強度とコストのバランスが良いので、Aフルートという一般的によく梱包で使われるものに利用されます。

中しん...段ボールの波形状部分に使用されています。

ライナと中しんは、グレードと重量の組み合わせで、コストと強度が決まります。
重量の単位は、g/㎡で表記されます。

2-4.段ボール箱にしたときの形状による種類

段ボールを箱として組んだときの形状によって、次のような種類に分かれます。

A式...段ボール箱と言われて真っ先に思いつくのがこのタイプではないでしょうか。最も一般的な「みかん箱」と呼ばれる形状です。汎用性が高いため、よく利用されています。箱はフタと底をテープなどで留めてふさぎます。

B式...差込みフタ式段ボール箱と呼ばれるものです。テープなどでフタをするのではなく、段ボールのフタの先を折り曲げ、もう片方に差し込む形になっています。

C式...2つの箱型を作り、互いにかぶせることで梱包するタイプで、テープで貼り付ける必要がありません。例えば、パネル・額縁類や、ギフト品などの段ボール箱によく使われます。

N式...箱を型抜きして組む、フタを差し込むタイプです。

タトウ式...1枚の段ボール紙を、四方から内側に包み込むように梱包するタイプです。メール便などによく利用されます。

2-5.日本トーカンパッケージの8角形段ボール

日本トーカンパッケージには、段ボール箱を8角形にした「OTOR8(オトールエイト)」という製品があります。DS Smith社(旧OTOR社)が開発し、当社がライセンスを取得し、国内で製造・販売を行っています。これはコンパクトで強度が高く、エコロジーかつエコノミーな段ボールを実現するものです。8角形にすることで、4角形と比べて圧縮強度が強くなります。これにより原材料のスペックを下げてコスト削減も可能です。また、より商品に沿ったコンパクトな設計が可能になるため、紙の使用量を減らすことができます。
この8角形段ボールを作るシステムは、当社が1997年に日本で初めて導入したもので、現在、さまざまな業態の会社に利用されています。

3.段ボールの用途

段ボールは日常的に使われていますが、その用途は実に多岐にわたります。配送用段ボールは商品の保護や効率的な積み作業に適した設計が求められ、耐久性やクッション性が重視されます。

一方、ディスプレイ用段ボールは美しい印刷やデザイン性が必要で、店舗の陳列用としても活用されています。また、工場での部品管理や海外発送など特殊なニーズに対応するため、段ボールは常に進化を続けています。特に軽量で扱いやすいものは、限られたスペースを有効活用できることから人気です。

当社では、短納期での製造や特殊サイズにも柔軟に対応し、用途に応じた最適な段ボールを提案しています。詳細は無料カタログでご覧いただけますので、ぜひ見積やご相談もお寄せください。

配送用段ボール

配送用段ボールは、商品の安全な輸送を目的として使用されます。一般的に段ボールの厚みや強度は中に入れる商品の重量やサイズに応じて選ばれます。特に壊れやすい商品や高価な物品を送る際には、二重構造の段ボールや強化段ボールが用いられることがあります。

保管用段ボール

保管用段ボールは、長期間にわたって物品を保護するために使用されます。倉庫内での積み重ねを考慮した耐圧性に優れた段ボールが求められます。

ディスプレイ用段ボール

店舗での商品陳列に使用されるディスプレイ用段ボールは、見た目の美しさと機能性が重視されます。カラフルな印刷や特殊な形状に加工された段ボールは商品を引き立て、消費者の目を引く役割を果たします。

4.まとめ

ここまで段ボールの概要や種類についてご紹介してきました。段ボールはその構造や厚み、強度に応じてさまざまな製品に活用されており、梱包する物品の重量や形状に合わせて選定することが重要です。

長距離輸送や海外発送では耐久性や耐水性などの機能を意識した選び方が求められます。また、環境への配慮から再利用しやすい素材や古紙を活用した製品も増えています。

当社では、標準的な段ボール箱だけでなく、特殊な寸法や形状への対応も可能です。具体的な用途に合わせたご提案や相談も承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。梱包の最適化はコスト削減と製品保護の両立を実現します。