耐水性段ボールとは?
例や活用方法、作り方をご紹介!

魚介類や青果物を入れるために最適な段ボールをお探しではありませんか。大切な商品を入れる段ボールですから、より優れた機能のある耐水性段ボールを理想としている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、これから耐水性段ボールを活用したいとお考えの方に、耐水性段ボールの概要から具体例、活用方法、作り方までご紹介します。

1.耐水性段ボールとは?

耐水性段ボールとは?

まずは耐水性段ボールの概要をご紹介します。

耐水性段ボールは、水に触れた状態で長時間経っても、あまり強度が劣化しないように表面加工された段ボールのことを指します。

薬品を含侵または表面に塗布して水をはじいて浸透を防ぐようにした「撥水加工」がされているのが一般的です。また、表面をラミネート加工した耐水段ボールもあります。

わかりやすいように、例を一つご紹介します。日本トーカンパッケージの耐水性段ボールシリーズ「たもっちゃん」は、段ボールの表面と裏面にフィルムをラミネートすることにより、耐水効果を持たせています。これにより、高温多湿環境下や水を多く使う場所で箱の強度劣化を少なくすることが可能です。

耐水性段ボールは、耐水性を有するといっても長時間水に浸すような環境に耐え得るものではありません。あくまで短時間、表面の水分をはじくという特性を持つのが耐水性段ボールと呼ばれているものです。

2.耐水性段ボールの例

耐水性段ボールの例

耐水性段ボールの具体例として、日本トーカンパッケージの「たもっちゃん」シリーズの一つをご紹介します。

●「たもっちゃん T-WP」
この商品は、水産物・冷凍品・青果物などに活用できる耐水性段ボールで、先述の通り、段ボール材に特殊な加工を行うことで優れた耐水性を持たせています。例えば一般的に鮮魚を運搬する際、鮮度を保つために魚と共に氷を大量に入れることがありますが、運搬しているうちに氷が溶け出します。通常の段ボールであれば水が漏れ強度が持ちませんが、「たもっちゃん T-WP」であれば、ケースの中で溶けた水に濡れて強度劣化することはありません。

段ボールは一般的に表ライナーと中芯と裏ライナーの三層構造で出来ています。「たもっちゃん T-WP」は、各ライナーに樹脂をラミネートすることで耐水性を持たせています。

一般的な耐水性段ボールの中には、ライナーに撥水物質を練り込んだものもありますが、それよりも耐水性に優れています。

後ほどご説明しますが、本商品には両面ラミネート加工原紙使用製品と裏面ラミネート加工原紙使用製品の2パターンがあり、適したものを選択いただけます。

また本製品は、素材として段ボールライナーを主原料としているため、廃棄処理が容易で、リサイクルが可能です。

段ボールは日本において95%以上がリサイクルされており、リサイクルシステムがしっかりと作り上げられています。そのため、廃棄してもごみになることはほとんどありません。またリサイクルの際、段ボールは水によって繊維状となることから、リサイクル工程におけるCO2排出量削減などにつながるため、環境負荷が低いのも特徴です。


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3.耐水性段ボールの活用方法

耐水性段ボールの活用方法

耐水性段ボールは、その耐水性能を活かした、さまざまな活用方法があります。先ほどご紹介した「たもっちゃん T-WP」を例に挙げ、活用方法をご紹介します。

●魚を氷に浸しながら運ぶ
鮮魚の鮮度を保つために、耐水性段ボールの中に氷を張ってその中に鮮魚を入れて運ぶことができます。

従来、発泡スチロール箱に氷と鮮魚を入れて運んでいたものを「たもっちゃん T-WP」に変更することを想定し、試験を行いました。

漁獲された鮮魚を産地から、流通の各店舗に到着する時間を想定して「たもっちゃん T-WP」に氷と共に入れた鮮魚のケースをパレットに積み付け、5°Cの冷蔵庫で保管しました。約30時間後、鮮魚の品質の維持と変わらない荷姿を確認できました。

●環境配慮のための発泡スチロールからの代替としての活用
近年は、SDGsへの対応などから、環境配慮のためにプラスチック製の素材の利用を減らす取り組みが各所で進んでいます。このような中、輸送に用いる発泡スチロールなどのプラスチック製の箱に代わる代替の素材として段ボールの活用が進んでいます。

段ボール箱に氷を張って利用するということはなかなか考えにくいものですが、耐水性段ボールの「たもっちゃん T-WP」を利用することで、そのような輸送を実現します。これにより発泡スチロールからの代替を実現できるので、リサイクル性の高い、環境にやさしい素材に切り替えることが可能になります。

4.耐水性段ボールの構造

耐水性段ボールの構造

耐水性段ボールは、撥水加工の種類や使用する素材はさまざまであるため、構造もさまざまです。ここでは、耐水性段ボール「たもっちゃん T-WP」の構造について説明します。

「たもっちゃん T-WP」は表ライナーと裏ライナーに樹脂のフィルムがラミネートされています。そのラミネートの貼り方には、次の2パターンがあります。

●両面ラミネート加工原紙使用製品
両面ラミネート加工原紙使用製品は、ケース外側となる表面には外側から耐水クラフト紙、ポリエチレン、ライナーの3枚を順に重ねています。中芯を挟み、ケース内側となる裏面には、ライナーの次にポリエチレンを重ねています。

●裏面ラミネート加工原紙使用製品
裏面ラミネート加工原紙使用製品のケース外側となる表面には、表ライナーに耐水段原紙を使用しています。中芯を挟んでケース内側となる裏面には、裏ライナー、ポリエチレン、耐水クラフト紙の3枚を順に重ねています。

このように、耐水クラフト紙やポリエチレンなどを施すことで耐水性を高めています。

5.まとめ

耐水性段ボールは、表面をラミネートしていることから、撥水性があり、水産物、青果物といった幅広い内容物の輸送に活用できます。

水分を有する内容物の輸送に段ボールを活用したい方は、ぜひ日本トーカンパッケージへお気軽にご相談ください。貴社に最適な段ボール商品をご提案させていただきます。

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