
鉄パレットはその強度と耐久性から様々な業界で活用されています。一方で、パレットには複数の種類があり、それぞれ機能や特徴が変わる為、パレットを導入する際は、他の種類のパレットとも比較した上で、自社に最適なものを選択することが重要です。本コラムでは、鉄パレットの特徴やサイズ、重量について詳しく解説し、他のパレットとの違いを比較していきます。
1. 鉄パレットとは

はじめに、鉄パレットの特徴について解説します。
鉄パレットとは
鉄パレットとは、その名の通り鉄(スチール)を使用した金属製のパレットです。木製やプラスチック製のパレットと比べて、鉄パレットは非常に頑丈で、長期間にわたる使用に耐えることができるため、特に重い荷物の輸送や保管が必要な製造業や物流業などで広く利用されています。
鉄パレットのサイズ
日本におけるパレットの標準的なサイズは、「JIS Z 0601」で規定されています。具体的には、1100mm×1100mm×144mmが標準サイズとされており、差込み口の高さは60mm以上でなければならないとされています。ただし、鉄パレットに関しては、他のパレットと異なり、決まった高さの値が設定されていないため、使用する環境や用途に応じてカスタマイズが可能です。
メッシュパレットとの違い
鉄パレットと混同されがちなものにメッシュパレットがあります。メッシュパレットは、鉄製のフレームとワイヤーで構成されており、かごの形状になっています。また、キャスターがついている製品が多く、特に、食品業界やリサイクル業界では、商品の状態を確認しやすいメッシュパレットが好まれることがあります。一方で、鉄パレットは平面の鉄板で構成されているため、より高い耐荷重性を持ち、重い商品や機械部品の運搬に適しています。
2. 鉄パレットのメリット・デメリット

続いて、鉄パレットのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
鉄パレットのメリット
1. 耐久性と耐荷重性
鉄パレットの最大のメリットは、その耐久性と耐荷重性です。鉄は非常に強く、重い荷物を安全に支えることができるため、長期間の使用に耐えることができます。この特性は、特に製造業や物流業界において、重い製品や機材を扱う際に大きな利点となります。木製やプラスチック製のパレットでは、長期間の使用や過重による破損のリスクが高まることがありますが、鉄パレットではその心配が大幅に軽減されます。
2. サイズのカスタマイズ性
鉄パレットは、用途に応じて様々なサイズにカスタマイズすることが可能です。これにより、特定の製品や物流システムに最適なサイズのパレットを作成することができます。標準的なパレットサイズでは対応できない特殊な形状やサイズの製品にも対応できる柔軟性があるため、特定のニーズに応じた最適な物流ソリューションを提供することができます。
鉄パレットのデメリット
1. 導入コストが高い
鉄パレットの大きなデメリットの一つは、その導入コストの高さです。鉄という素材自体が高価であり、製造工程も複雑であるため、木製やプラスチック製のパレットに比べて1枚の単価が高くなります。また、メリットとしてカスタマイズ性を挙げましたが、パレットを作るための金型などにも大きな費用がかかる為、パレットをカスタマイズするたびに高い初期費用がかかる場合があります。これにより、特に中小企業にとっては導入のハードルが高くなる可能性があります。
2. 破損時の修理
鉄パレットは非常に頑丈ですが、使用中に破損した場合、修理が必要になります。鉄の修理は専門的な技術を要し、修理費用も高額になることがあります。特に、溶接などの加工が必要な場合は、修理にかかる時間とコストが増加する可能性があります。
3. 重量の問題
鉄パレットはその素材の特性上、木製やプラスチック製のパレットに比べて重くなります。具体的には、鉄パレットの重量は一般的に20kg以上になることが多く、これが取り扱いの際の負担となることがあります。特に、人力での移動が必要な場面では、その重量が作業効率に影響を与える可能性があります。
以上のように、鉄パレットにはその優れた耐久性やカスタマイズ性といったメリットがある一方で、導入コストや重量といったデメリットも存在します。これらの特性を理解し、具体的な用途や条件に応じて最適なパレットを選択することが、物流効率を高める鍵となります。
3. その他パレットの種類をご紹介

続いて、その他パレットの種類をご紹介します。
パレットにはさまざまな種類があり、それぞれの素材によって特性や利点が異なります。ここでは、プラスチック製パレット、木製パレット、そして近年注目を集めている段ボールパレットについて詳しく解説します。
プラスチック製パレット
プラスチック製パレットは耐久性が高く、繰り返し使用できるため、長期間にわたり安定した性能を発揮します。また、湿気に対する耐性もあるため、特定の環境下での使用に適しています。しかし、プラスチックはリサイクルが難しく、廃棄時に環境負荷がかかるため、近年の「脱プラスチック」運動の中で見直されることが多くなっています。
木製パレット
木製パレットは古くから使用されており、その強度と耐荷重の高さが特徴です。木材の自然な特性を活かし、重い荷物の運搬にも適しています。しかし、木製パレットは湿気や害虫の影響を受けやすく、輸出時には熱処理や燻蒸処理が必要となりますし、ウッドショックによる木材供給の不安定さから、コストや手間がかかる場合があります。
段ボールパレット
段ボールパレットは紙素材で作られており、軽量でありながら、設計の工夫次第で高い強度を持たせることが可能なため環境に優しい選択肢として注目されています。段ボールパレットが注目される理由の一つに、ウッドショックによる木材供給の不安定さがあります。木材の供給が不安定になる中、段ボールパレットは安定した供給が可能で、コスト面でも優れています。また、段ボールパレットは廃棄の際には産業廃棄物にならず、リサイクルが可能です。環境への負荷が少ないことから、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献が期待されています。
さらに、段ボールパレットはワンウェイパレットとしての利用にも適しています。輸出先で廃棄することを前提としたワンウェイパレットには、処理コストや手間を削減できる段ボールパレットが選ばれることが多くなっています。木製パレットと異なり、熱処理や燻蒸処理が不要であることも、段ボールパレットの大きな利点です。
4. 日本トーカンパッケージの段ボールパレット「CFGパレット」をご紹介

最後に、日本トーカンパッケージの段ボールパレット「CFGパレット」をご紹介します。
垂直耐荷重2t以上、CFG技術で安定した強度を実現
「CFGパレット」の最大の特徴は、その高い強度にあります。垂直耐荷重は2トン以上を誇り、独自のCFG技術(Cushion Flexible Gluer)がその強度を支えています。この技術により、段ボールの積層品を自動成形し、安定した生産・品質を実現しました。これにより、軽量でありながらも安定した強度を確保しています。パレットの重量は約6kgと軽量のため、運搬や積み替えが容易で、物流費の削減にも寄与します。
設計技術で加工パレットの差し込み部分をカスタマイズ
設計技術を活用し、パレットの差し込み部分をカスタマイズすることが可能です。単面型や四方差し、ハンドリフト対応など、使用用途に応じた柔軟な設計が可能で、企業のニーズに合わせた最適なソリューションを提供します。また、段ボールパレットをカスタマイズする際の木型は、他素材のパレットに用いられる金型に比べて安価になりやすく、カスタマイズの初期費用でもメリットが出せる可能性があります。
燻蒸不要、回収不要の段ボール製ワンウェイパレット
「CFGパレット」は燻蒸処理や回収が不要なワンウェイパレットとして、輸出向けの需要にも対応しています。従来の木製パレットでは燻蒸処理が必要であることや、プラスチック製パレットでは輸出先での廃棄に問題がありましたが、段ボール製のワンウェイパレットはこれらの課題を解決します。
オール段ボールの集合包装で物流過程の生産性UP
「CFGパレット」は、オール段ボールの集合包装を可能にし、包装作業の効率化を実現します。これにより、輸送効率が向上し、コスト削減が期待できます。さらに、段ボールはリサイクルが容易で、製造過程でのエネルギー消費が少ないため、環境への負荷を抑えることができます。
5. まとめ

鉄パレットは、耐久性と高い耐荷重性能が魅力ですが、重量やコストのなど課題もあるため取り扱いには注意が必要です。パレットを導入する際には、その他のパレットと比較して、機能やメリットを理解した上で選択することをおすすめします。
日本トーカンパッケージの段ボールパレット「CFGパレット」は、お客様のニーズに応じた柔軟なご対応が可能です。ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。