化粧箱と外装箱に使われる段ボールの違い

大切な商品などを梱包するのに必要な箱。一般的には、内箱としてよく使われる化粧箱や、外箱として使われる外装箱と呼ばれるものがあります。その化粧箱と外装箱、それぞれにはどのような特徴があるのでしょうか。また、いずれも段ボールが素材として使われることがありますが、その段ボールには化粧箱と外装箱それぞれにどのような違いがあるのかもご紹介します。

1.化粧箱と外装箱とは?

化粧箱と外装箱にはどのような定義の違いがあるのでしょうか。まずはそれぞれの定義を解説します。

●化粧箱とは
化粧箱とは、美粧印刷等の装飾を施した見映えの良い箱のことを指します。美粧印刷された用紙を箱の形状にする場合と、用紙に片面段ボールを貼合した「美粧段ボール」を使用する箱があります。
特徴として、一般的な段ボールや外装箱と比べて高級感があり、販促効果が期待できます。また、印刷と表面加工の自由度が高いのも特徴です。

●外装箱とは
外装箱とは、物を梱包する際に、最も外側を梱包することになる箱のことをいいます。一般的には、外装用の段ボール箱のことを省略して外装箱と呼ぶことが多いです。つまり外装箱は段ボールをイメージするとわかりやすいでしょう。外側を梱包することから強度が高く、中身を保護するのに長けています。

2.化粧箱と外装箱に使われる素材の違い

化粧箱と外装箱の定義を確認したところで、それぞれに使われる素材の違いをみていきましょう。

2-1.化粧箱に使われる素材

・板紙...単紙
・美粧段ボール...美粧印刷された用紙に片面段ボールを貼合したもの
・貼箱...厚紙で作った芯になる箱を、上紙と呼ばれる紙で包んだもの

2-2.外装箱で使われる素材

・Aフルート:段の高さが約5mm、30cm幅にある段の数が34±2個で、最も一般的な種類として多く利用されています。

・Bフルート:段の高さが約3mm、30cm幅にある段の数が50±2個で、Aフルートよりも薄いことから、外装箱だけでなく、内装箱にもよく使われます。

・Wフルート:フルートを2重に重ねているタイプ。二重構造になっているため、当然、分厚く、強度に優れており、重量物の配送や海外への発送、輸入商品の梱包などによく利用されます。

段ボールは、一般的に「ライナ」という平らな原紙を、「中しん」と呼ばれる波状の原紙の表と裏に1枚ずつ、合計3枚を貼り合わせたものです。フルート とは、そのライナの波状の段のことを指します。フルートの高さと数によって呼び名が変わります。

3.化粧箱と外装箱に使われる段ボールの違い

ここで、化粧箱と外装箱に使われる段ボールに注目してみましょう。化粧箱には、主に美化粧段ボールがよく使われます。そこで美化粧段ボールと、一般的な段ボールの違いを確認していきましょう。

●構造の違い
段ボールは先述の通り、中しんとライナを張り合わせて作られます。一方、美化粧段ボールは印刷した1枚の板紙を片面段ボールに貼り合わせて作られています。

●印刷・表面加工の自由度の違い
美化粧段ボールは、印刷・表面加工の自由度が、一般的な段ボールよりも高いのが特徴です。
「オフセット印刷」が施せるので、繊細な表現が可能です。また光沢感やマット感を出す「ニス加工」や「ビニール加工」、「フィルム加工」などのほか、高級感を出す「エンボス加工」なども施すことができます。
外装箱の段ボールでは「フレキソ印刷」という商品名、入り数等文字を印刷するシンプルな印刷方式が採用されています。

●用途の違い
美化粧段ボールは、華やかさや高級感、インパクトなどを出すことができるので、段ボールよりブランディングや販促効果を出しやすくなります。食品や化粧品を入れるほか、贈答用 などによく使われています。段ボールは低コストで大量に生産できるほか、強度面から緩衝性や保護性が高いことから運搬の役割を果たすメリットがあり、一般的な外箱や大型家電などに利用されています。

4.まとめ

化粧箱と外装箱の特徴と、その違いをご紹介してきました。化粧箱は見た目の良さから付加価値が付けやすい特性があり、外装箱は商品を保護しながら運搬するのに最適です。商品の箱として使用する際には、目的に応じて適したほうをうまく選ぶのをおすすめします。