
多くの事業者は、デリケートな花を適切に梱包し、納品先まで完全な状態で配送するために、さまざまな工夫をしていることでしょう。一方、梱包作業はできるだけ効率的に実施する必要があります。
今回は、花を梱包して配送する事業者向けに一般的な梱包方法から、花の梱包のよくある課題、課題解決のための方法を解説します。花梱包・配送の効率化に関してお困りの方は、ぜひご覧ください。
一般的な花の梱包方法【事業者向け】

事業者が花を梱包する際に、従来からよく行われている方法をご紹介します。
段ボール製の横置き・縦置き梱包箱
現在、花を梱包する際に主流となっているのが、段ボール箱を利用することです。縦長もしくは横長の、茎の長い花でも対応できる梱包箱を利用します。
大型の長方形状の横置き梱包箱は、2面を金属製のステッチで接合した仕様が主流です。一部、金属製のステッチではなく、糊貼り仕様のものもあります。
縦置きの梱包箱は、花を立てて入れることができる仕様です。根の部分は段ボールシートを丸く切り抜き、ずれないように固定します。
段ボール箱+プラスチックバケツ
縦置き梱包箱の根の部分にプラスチックバケツを仕込み、水を入れてそこに切り花を差して運びます。この場合、プラスチックバケツから水がこぼれないよう、段ボール箱で固定します。
プラスチック製の輸送用コンテナ
比較的短い切り花の場合、プラスチック製の輸送用コンテナが使われることもあります。バケツのようなコンテナに水を入れて切り花を差し、鮮度を保ちます。上部にプラスチックカバーを装着して花上部を保護するタイプもあります。
これらは一般的によく行われている方法ですが、梱包作業を行っている事業者は、課題を抱えていることが少なくありません。
花の梱包のよくある課題

事業者が花を梱包する際に直面している、よくある課題をご紹介します。
横置き梱包箱の金属製ステッチがもたらす問題
横置き梱包箱については、金属製ステッチで接合させるために、問題が多く生じます。例えば、次の点が挙げられます。
・コストアップする
金属製ステッチは材料費や作業費から、コストが上がってしまいます。梱包コストをできるだけ抑えたい場合には軽視できないデメリットです。
・リサイクル時に分別が必要
段ボールは日本でリサイクルシステムが整っており、使用後に廃棄する際にはリサイクルに回すことが可能です。しかし金属製ステッチを利用してしまうと、リサイクルする際に金属製ステッチを外さなければなりません。この分別の手間と時間がかかる点はデメリットといえます。
・商品への混入の懸念がある
金属製ステッチは何らかの拍子に外れてしまうことがありますが、その際、商品へ金属が混入してしまう恐れがあります。異物混入によるクレームが発生するリスクは信頼性低下など大きな損害につながります。
・開梱・廃棄時に手を裂傷する恐れがある
金属製ステッチは、開梱時や廃棄時に外す際に、手を傷付けてしまう恐れがあります。そのため、作業に危険が伴うのが課題です。
・製函作業に手間が掛かる
箱を組み立てる製函作業の際に、金属製ステッチで留める必要があるため、通常と比べて手間が掛かります。
金属なしの糊貼り仕様も箱組みの手作業に手間取る
金属製ステッチがない糊貼り仕様の段ボール箱もありますが、箱組みの手作業においては手間がかかってしまいます。そのため、箱組み作業の人員確保が必要になります。
段ボール箱+プラスチックバケツの各種問題
縦置きの梱包箱とプラスチックバケツを利用する場合は、そもそもプラスチックバケツを用意する手間がかかります。また倒れてしまうと水がこぼれやすく、段ボールは水濡れに弱いため、輸送品質に懸念が出てきてしまいます。
プラスチック製は環境配慮の点で劣る
切花用の角バケツ(輸送用コンテナ)は便利ですが、プラスチックバケツと同様、プラスチック製であることから、環境配慮の方針からそれてしまいます。世界的に脱プラスチックが進む中、積極的に利用へと踏み切れないところもあります。
花の梱包の課題解決方法

上記の課題を受け、花の梱包はどのように工夫すれば良いでしょうか。課題解決のための方法をご紹介します。
金属製ステッチ加工が不要な段ボール梱包箱を活用する
金属製ステッチの諸問題については、そもそも金属製ステッチ加工が不要な梱包箱を選択することが挙げられます。リサイクル性に優れた、環境にやさしいオール段ボール仕様の切り花用梱包を採用することで、環境配慮の対応も可能です。
しかし箱組みの手間の課題も残されているため、何らかの工夫が必要になるでしょう。
製函機を利用して自動化・省人化
箱組みの手間や人的リソース不足の課題に対しては、製函機を利用して自動化・省人化する方法が有効です。完全自動だけでなく、人がブランクシートを製函機に乗せる半自動タイプもあるため、コストを抑えながら導入することも可能です。
防水機能を持たせた段ボールを利用
プラスチックバケツを使わない方向性を考えたときに、近年、進む段ボール加工技術の一つである、防水機能を持たせた段ボールを利用することが挙げられます。
日本トーカンパッケージがご提案する花梱包課題を解決する方法

花の梱包の課題解決策の具体例として、日本トーカンパッケージの製品をご紹介します。
1.横置き梱包箱 半自動製函機「切り花トーカン アシスト BOX」
本製品は、横置きタイプの切り花向け梱包箱で、半自動製函機を利用して箱組みを行います。金属製ステッチ加工が不要であるため、コストを抑えながら、商品への混入や手の裂傷などを予防できます。
さらに、手作業の箱組みが不要であり、ブランクシートを半自動製函機に乗せるだけで、機械が四面を立ち上げ、自動製函します。その後、人の手で短側面を内側へ折り込み、切り花を入れ封函します。
なお、短側面を内側へ折り込み、封函する工程は自動化も可能です。製函をアシストすることから、省人・省力化につながります。
2.縦置き梱包箱 自動製函機「切り花トーカン アシスト BOX 」
縦置き梱包箱で、自動製函機を利用して箱組みできる製品です。
まず、ブランクシートを製函機の給紙マガジン部へ積み付けます。その後、製函機にて自動製函され、縦方向へ排出されます。すでに組み上がった状態になるため、箱を立てて、切り花を入れて、手作業で封函します。
人員・時間を掛けずに箱組みできる上に、箱組みから封函まで連続で行える仕様のため、より省人・省力化に貢献します。
3.段ボール製バケット「たもっちゃんT-WP」
従来のプラスチックバケツを段ボール製に置き換えたものです。段ボールに樹脂をラミネートすることで、防水機能を持たせてあります。リサイクル性に優れた、環境にやさしいオール段ボール仕様の切り花用梱包が可能になります。
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まとめ

業務用の花梱包は、品質保持の観点から梱包資材について最適なものを選定し、箱組みなどの梱包作業効率化を含めた効率化が求められます。
今回ご紹介した課題解決策を参考に、ぜひ安心できる花梱包を実現されてください。
今回、ご紹介した日本トーカンパッケージの切り花梱包箱シリーズの詳細については、ダウンロード資料にてご覧いただけます。切り花梱包に課題を抱えている方は、ぜひご覧ください。