包装最適化で物流改善!
業界別の改善例

Eコマースが急速に伸長した昨今、物流改善は、もはや多くの企業が直面している課題といえます。物流改善には、最適な梱包を選択する必要がありますが、それは製品・環境・ニーズによって変化するものです。梱包材・緩衝材の種類と特徴を踏まえ、今一度、最適なものを検討したいものです。
参考に、物流改善の業界別の例も合わせてご紹介します。

1.最適な梱包とは?

物流改善を行おうとしたときに必要なのが自社の商品や環境、物流にとって最適な梱包を考えることです。

1-1.考えるべきは製品、環境、ニーズ

最適な梱包は、製品の種類や搬送や保管の環境、自社や物流業者、顧客などのニーズによって変化するものです。

包装は、商業包装と工業包装に分けられ、その目的の違いにより、最適な梱包の形状やサイズ、材質などの種類も異なります。

製品、環境、ニーズすべてに合ったものが最適な梱包といえます。

1-2.梱包の種類

梱包の種類として、主に段ボール梱包、パレット梱包、木箱梱包があります。

・段ボール梱包
段ボール梱包は、軽量で扱いやすいことから近年、多く使われています。また紙製であることからリサイクル性が高いという点でも注目を集めています。

・パレット梱包
パレット梱包は、パレットに製品を載せて固定して運ぶ梱包方法です。大量輸送や格納効率向上に寄与します。パレットの材質には木製やプラスチック、段ボール等があります。

・木箱梱包
木箱梱包は、木材を使った梱包で、ケース梱包、クレート梱包などがあります。重量のある大型製品にも対応可能であるほか、強度が高いことから海外輸送などにも利用されています。

2.梱包材・緩衝材の種類と特徴

最適な梱包を見つけるには、梱包材と緩衝材の種類を知ることが欠かせません。そこで主な種類の特徴をご紹介します。

2-1.梱包材の種類と特徴

●段ボール
・メリット
箱の形状の設計の自由度が高い
リサイクル性に優れているため環境に優しい

・デメリット
水ぬれに弱い
段ボール紙の方向によって強度に差がある

●プラスチックコンテナ
・メリット
耐久性があり、繰り返し利用できる
水ぬれに強い

・デメリット
広い保管スペースが必要(折り畳み不可のもの)
廃棄の際に手間とコストの負担が大きい
脱プラスチックの流れに反している

●宅配袋・宅配封筒
・メリット
袋状の容れ物でサイズや厚み、形状が多彩
小さいものや細かなものもそのまま入れられる
軽量
輸送コストが安価
保管時にも箱と比べて省スペース

・デメリット
梱包できる内容物が限定的
耐久性に不安がある場合には補強が必要
水ぬれに弱い

2-2.緩衝材の種類と特徴

●エアキャップ
・メリット
気泡のサイズによって多様なサイズの形状に対応
2重、3重にすれば強度は高められる
衝撃吸収力が高い
サイズが自在に変更できる

・デメリット
量が多いと保管スペースを要する場合も
透けて内容物が見えてしまう
脱プラスチックの流れに反している

●ミラーマット
・メリット
柔軟に形状変更が可能
断熱性、耐油性に優れる
軽量
割れ物の保護にも使用可能

・デメリット
裂けやすく、内容物露出の恐れがある
脱プラスチックの流れに反している

●発泡スチロール
・メリット
固定性が高い
軽量

・デメリット
保管スペースを要する
脱プラスチックの流れに反している

●段ボール
・メリット
重いものから軽いものまで使える
柔軟に形状を変更できる
軽量
リサイクル性が高く環境に優しい

・デメリット
仕切り形状のものは組み立てに手間とコストがかかる(機械の使用など)

3.物流改善につながる業界別の段ボール包装例

ここで、物流改善につながる業界別の段ボール包装の方法を例としてご紹介します。

3-1.食品・トイレタリー業界

・課題
食品・トイレタリー業界のよくある課題として、「梱包材のコストが高い」や、「パウチには上部に無駄な空間が発生し効率がよくない」、「梱包作業に時間がかかり発送遅延が起きる」などがあります。

・改善例
解決のためには、ただ梱包コストを削減するだけではなく、強度の担保や輸送・配送効率を最大限に向上させることを考えた設計が重要です。

一つの例として、外装箱を8角形にする方法があります。
8角形段ボールを作るシステム「OTOR8」は、1997年に日本トーカンパッケージが日本で初めて導入しました。耐圧強度をUPさせ、かつ使用面積を削減させることで、コスト削減が図れます。
その他、8角形によるアイキャッチ効果、天地凹凸仕様による棒積みスタッキング機能等、様々な機能・優位性があります。

3-2.青果物・花き業界

・課題
青果物・花き業界で利用されている切り花の段ボールは、一般的な加工機で作成できず、部材を利用した加工が必要なため、労力とコストがかかります。プラスチックコンテナだと洗浄コストが高いのも事実です。

・改善例
青果物・花き専用段ボールは、ディスプレイ三角柱形状をはじめ、様々なトレー形式の箱を全自動で製函する仕組みを導入するのが効率的です。

オートマチックトレーフォーマー技術を用いれば、精度の高いトレーを成型できます。加えて4コーナーに三角柱または、2重折込みにすることにより、十分な耐圧強度のあるトレーを成型できます。
複雑な形状など、様々な製品や要求に対応することができます。

3-3.工業・電気製品取り扱い業種

工業・電気製品の梱包は、コスト高の課題に直面しがちです。例えば工業製品の梱包に木材を利用している場合、燻蒸を行う必要があり、大量ロットに対応できないという課題があります。またプラスチックコンテナの回収の申請などの手間、梱包作業に時間がかかり、発送スピードが遅くなってしまうという時間的な問題もあります。

・改善例
工業・電気製品の梱包には、廃棄がしやすく、回収が不要な段ボールが最適です。段ボールは形状変更と包装システム導入による対応があります。

1.形状
段ボールを使った梱包材は、重量物でも軽量物でも「トーカンアシストボックス」で最適な形状にすることが可能です。

2.包装システム導入
段ボール製の新包装資材であり、当社の包装システムを利用して作成する「CFG(クッション・フレキシブル・グルアー)」を導入する方法です。梱包・緩衝材、スキット、パレット等幅広く使用できます。

4.まとめ

物流改善のためには、まず自社の製品、環境、ニーズにとって、最適な梱包材や緩衝材を選択することが重要です。

日本トーカンパッケージでは、商品のご提供に留まらないパッケージ総合支援を行っております。

ただ段ボールをご提供するのではなく、安全な素材の利用や商品に適切な形状を実現するためのシステム導入など、お客様のご要望を最大限実現できる環境をご提供します。

慢性的な人材不足に対する業務改善を行いながら、材料の使用量削減や配送効率の向上など、環境負荷の低減を図る仕様・機能を提供しております。