パレットの種類を素材・形状・サイズ別に解説!
時代に合った効率的なパレットの選び方

パレットの種類を素材・形状・サイズ別に解説!時代に合った効率的なパレットの選び方

物流において利用されるパレットは、荷役や保管、輸送まで物流プロセスを通じて効率化を図るために重要な役割を果たします。このパレットはどのような種類があり、どのように使い分けるべきか知りたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

今回は、パレットの種類を素材や形状、サイズ別に解説します。また用途や目的に最適かつ時代の風潮に合ったパレットの選び方もご紹介しますので、あわせて参考にしてください。

パレットとは?役割を確認

パレットとは?役割を確認

パレットとは、荷物をのせて運ぶための荷役台を指します。主に物流施設や倉庫、工場などで利用されており、トラックで輸送される際に使われています。施設内では主にフォークリフトを使って持ち上げ、移動させます。

パレットは一般的に平板の形状であり、フォークリフトのフォークが差し込めるように、差し込み口が用意されています。

パレットの役割

パレットの役割は、荷役・保管・輸送の効率化です。手作業で一つ一つの荷物を移動するよりも、パレットに複数個をまとめてのせたり、重量のある大きな荷物を一つのせたりするほうが効率的に作業できます。フォークリフトで容易に持ち上げることができるので、倉庫内での移動やトラックへの荷積み・荷降ろしの際に便利です。

パレットの種類

パレットの種類

パレットの種類を素材、形状、サイズごとにみていきましょう。

パレットの素材による種類

木製パレット
木でできたパレットは強度や寿命に優れ、加工性も高いことから自由度の高い設計が魅力です。一方、重量が大きい点、木くずやささくれが危険である点、輸出時には各国の規制により熱処理(燻蒸)が必要である点などの課題があります。

プラスチックパレット
軽量で耐水性があり扱いやすい一方で、近年の脱プラスチックの流れから積極的に利用しにくい現状があります。加えて、温度変化に弱くフォークリフトでスリップしやすいなどの課題もあります。

段ボールパレット
軽量で扱いやすく物流コストの削減につながるほか、リサイクルシステムが確立されている、輸出時に規制を受けず熱処理も不要などの多くのメリットがあります。耐水性や強度の面で不安がある場合も、強度を高める技術で製造することで対策可能です。

金属パレット
耐久性が最も高く、温度変化を受けにくい点、衛生的であるなどのメリットがある一方で、重量が大きく、スリップしやすい点、価格が高い傾向がある点などが課題です。

パレットの形状による種類

平パレット
平板にフォークリフトの差し込み口がある最も一般的な種類です。最も普及していることから、さまざまな素材の中から選べます。

ボックスパレット
平板に側面が取り付けられたパレットです。3面もしくは4面のケース型になっています。荷物がそのまま積み上げられない袋入りや金属片などに最適です。

ロールボックスパレット
車輪付きのボックスパレットで、直接引いて移動できるメリットがあります。

シートパレット
シートでできたパレットです。素材には段ボールや紙、樹脂などで造られます。厚みは1~5mm程度で積載効率が向上するメリットがあります。用途として米袋や飼料などの運搬に使われます。

ポストパレット
四隅に支柱があるパレットです。パレット自体を積み重ねることができるため、ラックの代わりにもなります。

タンクパレット
主に液体を入れて運ぶタンクを備えたパレットです。

サイロパレット
サイロとは「漏斗(ろうと)」のことで、粉体や流体を入れることができるパレットです。

パレットのサイズと規格

パレットのサイズは規格が存在し、日本国内ではJIS規格にも定められている「1100mm×1100mm×144mm(長さ・幅・高さ)」のサイズが一般的です。
その他、長さ・幅は下記のサイズが使われています。

・1,100mm×800mm
・1,100mm×900mm
・1,100mm×1,100mm
・1,300mm×1,100mm
・1,400mm×1,100mm
・1,200mm×800mm
・1,200mm×1,000mm

海外では地域に応じて流通しているサイズが異なります。欧州では「1200×800×144mm」や「1200×1000×144mm」、米国では「1,219mm×1,016mm」がよく利用されます。

パレットの積み方の種類

パレットの積み方の種類

パレットに段ボール箱などを積むときには、次の積み方の種類があります。

ブロック積み:ブロックのように並べて積む方法
交互列積み:ブロック積みの並べ方を一段ずつ交互に、90度向きを変えて積む方法
ピンホール積み:風車型に積み、中央の隙間を一つ作る方法
ダブルピンホール積み:ピンホール積みを発展させ、中央の隙間を2つ作る方法
レンガ積み:一つの段ごとに、段ボールを縦横方向に向きを変えて積む方法
窓積み:レンガ積みで横向きに並べるものを2列に増やして積む方法
スプリット積み:レンガ積みにおける横向きの部分に隙間を作る方法
5回し2段積み等:積み方の指示方法。「1段に5つの荷物を2段積む」など数字は任意で変更

いずれの場合も荷崩れを起こさないよう、荷物の形状や内容物に応じて最適なものを選ぶ必要があります。

パレットの選び方のポイント

パレットの選び方のポイント

荷物に応じてパレットを選ぶ際には、次のポイントを押さえましょう。

素材や形状の種類を比較検討する

パレットの素材や形状は多岐に渡るため、さまざまな角度から最適なものを選定する必要があります。例えば、最大動荷重、耐久性、衛生面、リサイクル性など複数性能を比較しましょう。

輸送時の積載率が低下しないか検討する

パレットはそれ自体に重量があり、幅を取るため、トラックなどに荷積みした際に、パレットなしで積んだときと比べて積載率が低下する恐れがあります。そのため、パレットに積むときに最も効率的なサイズや積み方を検討しましょう。

扱いやすさなど作業効率も考えて選定する

段ボール製やプラスチック製は比較的軽量であるため、楽に扱えます。作業効率を考えた場合にこれらは優位に上がりますが、のせる荷物によっても変わってきます。総合的に考えて選定し、作業効率を最大化しましょう。

輸出用途の場合は処分の規制に注意

パレットを伴う輸出の場合は、輸出先でパレットを回収せず、そのまま廃棄する場合がありますが、近年、プラスチック製は規制が厳しくなっており、容易に廃棄できない恐れがあります。その点、段ボールパレットは紙製なので廃棄しやすい点で優位性があります。

段ボールパレットがおすすめの理由

段ボールパレットがおすすめの理由

段ボールパレットは、各種パレットの中でも特におすすめです。選択肢の一つとして検討する際には、ぜひ次のメリットを押さえておきましょう。

耐久性や強度を高める技術開発が進んでいる

段ボールは紙であり、紙の弱点は耐久性や耐水性、強度にあります。そのためパレット素材として不安があるかもしれませんが、近年は、強度を高める技術開発が進んでおり、強度のある段ボールパレットが開発されています。

例えば日本トーカンパッケージの段ボールパレット(CFG)は、特殊な加工技術により垂直耐荷重2t以上を有し、安定した強度を実現した製品としておすすめです。

自由度の高い設計

段ボールは加工しやすいため、段ボールパレットについてもさまざまな形状に加工できます。差し込み部分をカスタマイズしたり、側面を取り付けたりする例があります。

パレット一体型のオール段ボール集合包装が可能

パレット単位で発送する製品の場合に、パレット一体型のオール段ボール集合包装を容易に作ることができます。一つ一つの段ボール箱に詰めていく作業負荷を低減します。

軽量で取り扱いがしやすく、運賃メリットがある

段ボールパレットは、重量が約6kg程度と比較的軽量で、パレット自体の移動や積みかえ時に取り扱いやすいメリットがあります。重量単位で運賃が発生している場合、パレット重量が減少し、物流費を抑えることができます。

また、先にご紹介したリサイクルシステムが確立されている、輸出時に規制を受けず熱処理が不要かつ廃棄しやすいなども重要なメリットです。

まとめ

まとめ

パレットの種類やサイズ、積み方、選び方などをご紹介しました。パレットにはさまざまな種類があるため、荷物やシーンに応じて最適なものを選定することが求められます。

数あるパレットの種類の中でも、持続可能な物流が求められる昨今、リサイクル性の高い段ボールパレットは第一候補に挙がります。

その他、人手不足や働き方改革による業務効率化やコスト削減を実現することから、時代に合ったパレットといえるでしょう。

今回ご紹介した、段ボールパレット(CFG)については、無料でご提供しているお役立ち資料で詳しく解説しております。ぜひダウンロードしてご覧ください。