昨今、花配送においては、さまざまな課題を解決するべく梱包段ボールの標準化から積載効率アップ、コスト削減、共同配送までさまざまな取り組みが行われています。その中でも、花配送の梱包の段ボールにまつわる課題は数多くあり、解決が急がれています。
今回は、花配送の梱包にまつわる業界全体の課題をご紹介するとともに、花配送時の段ボール梱包のよくある課題から花の配送に最適な段ボール梱包の条件まで、具体的な花き向け段ボール箱の例を取り上げながらご紹介します。
花配送の梱包にまつわる業界課題
花き業界では、梱包にまつわるさまざまな課題に直面しています。
物流2024年問題で物流効率化が求められる
物流2024年問題とは、働き方改革関連法によって、2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働が上限960時間(1ヵ月あたりに直すと80時間)に制限されることに伴い発生する諸問題です。この問題を受け、配送コスト増加やリードタイム削減などに対応するべく、積載効率の改善や輸配送形態の切り替えなどを余儀なくされています。
特に地方の産地市場にとって物流効率化は必須事項であり、中でも花きの物流は段ボール箱の形状が特殊であることから、難度が高いといわれています。
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花配送効率化の取り組み
実際に、花配送の効率化のために、業界では次のような取り組みが進められています。
・梱包段ボールの標準化
花配送の効率化に向け、梱包段ボールを標準化し、積載効率を改善するためにパレット化を推進する動きがあります。しかし花梱包の大きな課題として切り花と鉢物の大きく2種類に分かれるため、標準化も二方向で進めるべきなど議論されています。
・共同配送
共同配送とは、複数の荷主が荷物を同じトラックで、同じ配送先へ運ぶ取り組みを指します。これにより積載効率アップやコスト削減が見込めます。しかしながら、花は生きている植物であり、鉢植えは土を伴うため、他業界との共同配送の難易度が上がります。一方で、商品を選べば日用品との共同配送も実現可能です。
花配送の段ボール梱包のよくある課題
実際、花配送の現場では、さまざまな課題に直面していますが、中でも段ボール梱包にまつわるよくある課題をご紹介します。
積載効率を上げて配送コストを下げたい
トラックへの積載効率を高めることで、トラック台数を減らし、配送コストをできるだけ下げる必要があります。特に花配送用段ボールは大型になりがちで、仕様上、金属製のステッチで接合したものが一般的です。しかしこのステッチ加工が原因で段ボール箱そのもののコストが高くなっていたり、製函作業に手間と時間がかかることによりコスト増加につながっていたりすることもあります。
人手不足で梱包作業の負担が大きい
大型段ボール箱であることもあり、梱包作業の負荷が高い中、人手不足が深刻化しており、作業負担が大きいというのも課題の一つです。
梱包費を減らしてコスト削減をしたいが、強度が心配
段ボール箱を見直してコストダウンにつなげたい一方で、強度が下がると商品の品質に関わるため、実行に踏み出せないケースもあります。
金属製ステッチを剥がす作業が危険
使用済み段ボールはリサイクルに回すことになりますが、回収のためには金属製ステッチを剥がす必要があります。この作業は時間と人的コストがかかる上に、手に裂傷を負うリスクがあるのも懸念点です。
花の配送に最適な段ボール梱包の条件とは?
課題を踏まえ、今一度、花の配送に最適な段ボール梱包を考えてみましょう。主に次の条件が求められます。
強度・破損リスクを低減する仕様
花の配送には、商品が破損しないよう、強度を高める設計が欠かせません。段ボールは、波形に加工したボール紙である「中しん」と、平らなボール紙である「表ライナ」と「裏ライナ」の3枚で構成されていますが、この中しんとライナに使用する素材によって強度が変わります。段ボール設計だけでなく、段ボール紙そのものの適切な選定も求められます。
鉢植えが動きにくい
鉢植えの商品を運ぶ際に、段ボール箱内部に固定材を使用し、動かないようにすることができます。破損を防ぐために重要な条件です。
防水性が高い
バケットやバケツに水を入れて花を差し込む形で配送する縦型の梱包箱の場合、防水性が求められます。プラスチックバケツを使用するのは近年の環境への配慮から推奨されておらず、段ボール箱を活用した梱包仕様が求められています。
カスタマイズ性がある
花のサイズや形状に応じて柔軟にカスタマイズできることも必要な条件といえるでしょう。特に花梱包の段ボール箱は大きいため、商品サイズに応じた適切な設計が求められます。
安全性が高い
金属ステッチを使用しない仕様にするなど、商品混入リスクを防ぎ、梱包作業の安全性を高めることも重要な条件です。
日本トーカンパッケージの花配送用段ボールのご紹介
花の品質を保持したまま、効率的に配送できる段ボール梱包の手段として、日本トーカンパッケージの製品をご紹介します。
1.横置き梱包箱 半自動製函機「切り花トーカン アシスト BOX」
花を横に寝かせて入れる横長の段ボール箱と半自動製函機を組み合わせたソリューションです。一番の特徴は、金属ステッチ加工がないことです。これによりコスト削減、安全性の実現、梱包作業の効率化につながります。さらに製函をアシストする半自動製函仕様であるため、省人化と省力化を実現します。
2.縦置き梱包箱 自動製函機「切り花トーカン アシスト BOX」
花をバケットに入れて立てた状態で運べる縦置き梱包箱と自動製函機を組み合わせたソリューションです。一番の特徴は、手作業が不要になることで梱包作業の効率化とコスト削減、省人化と省力化が実現することです。
3.段ボール製バケット「たもっちゃんT WP」
縦置き梱包箱に使用するバケットの内側には、段ボールに樹脂をラミネートすることで防水機能を付加しています。プラスチックバケツを使用せず、環境にやさしいオール段ボール仕様の切り花用梱包が可能です。
これらのトーカン切り花 梱包箱 シリーズを活用することで、花配送の段ボール梱包課題の解決につながります。なお、本シリーズは梱包段ボールだけでなく、包装システムも含めたソリューションとなっています。詳細は下記ページをご覧ください。
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まとめ
花配送の業界における課題から梱包段ボールにまつわる課題の解決策までを解説しました。適切な段ボール梱包を実現することで、強度を高めながら積載効率を上げて配送コストを下げたり、人手不足に対応したり、梱包作業の安全性を確保しながら効率的な梱包作業を実施したりすることが可能です。
今回ご紹介した日本トーカンパッケージの花配送用段ボールのソリューションは、花配送の梱包にまつわるあらゆる課題解決に寄与します。詳細に関しては、下記の資料に記載しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。






