近年、選果場においては人手不足や高齢化などを背景に、自動化による業務効率化が急速に進められています。少しでも効率化するために、選果場での梱包作業を見直してみることも有効です。例えば段ボールの組み立てを自動化することで、より一層、効率化を実現できます。
そこで今回は、選果場のよくある課題から作業効率化のために進められている自動化の具体例、選果場の段ボール組み立てを自動化する方法を詳しくご紹介します。
選果場のよくある課題
近年、選果場が直面しているよくある課題をご紹介します。
人手不足と高齢化による業務負荷増大
近年、農業の領域では生産者の減少が進んでいます。農林水産省の「農業労働力に関する統計」によれば、基幹的農業従事者(個人経営体)は平成27年時点で175.7万人だったところ、令和2年には136.3万人に減り、令和7年には概数値として102.1万人にまで減っています。
「2025年農林業センサス結果の概要(概数値)」では、全国の農林業経営体数(令和7年2月1日現在)は83万9,000件ですが、5年前に比べ、25万3,000件(23.2%)減少しています。
このように農業従事者の人手不足は年々、深刻化している背景から、現場では業務負荷が増大しています。
また「農業労働力に関する統計」では、基幹的農業従事者(個人経営体)における近年の平均年齢は67.6歳とあって、高齢化が進んでおり、手作業では特に負荷が高まっているといえます。
【調査出典】
農林水産省「農業労働力に関する統計」
農林水産省「2025年農林業センサス結果の概要(概数値)(令和7年2月1日現在)」
ニーズの多様化による商品の種類や等級や階級などの規格数の増加
近年の消費者ニーズの多様化により、農作物の種類や等級・階級などの規格の数が増加しています。そのため、多様な種類や規格への柔軟な対応が求められています。
トラックへの荷積みまでの時間短縮
選果場では、常に時間に追われながら作業を行っています。物流業者によるトラック荷積みの締め切り時間が迫っている場合は、よりスピードアップする必要があります。人手不足かつ業務過多の状況の中で、作業の質を落とさず、効率的に仕事をこなせるかが重要です。
人件費の削減
選果場の効率化を進めるには、コスト面の効率性も重視しなければなりません。選果場のシフト調整や働き方改革も実現しながら、人件費の削減を検討する必要があります。
選果場の作業効率化のための自動化の具体例
近年は、選果場の課題を解決するための一つの方法として、作業効率化のために自動化が進んでいます。そこで、自動化の具体例と効果をご紹介します。
AI選果機
選果機のAI化は品質と作業効率の両方を向上させてくれます。AI選果機とは、AIが選果を担う機械です。選果では、農作物を大きさや品質などによって選別し、果物であれば等級をつけます。AI選果機では、AIが人に代わってこの選果を行います。
AI選果機を導入している選果場では、まず人の目による選別後、光センサーによる選別をAI選果機が担います。AI選果機には、品質を判断するセンサーや腐敗を選別するセンサー、外部品質を判定するカメラ、そしてAI選定システムなどが搭載されています。
人の目では見分けがつきにくい農作物を巧みに判定して取り除き、等級やサイズに問題がないものを箱詰めします。
AIカメラと重量計付きロボットアームによる自動選別
ある玉ねぎの選果場では、AIカメラと重量計付きのロボットアームを活用し、玉ねぎの自動判別を実装しています。カメラで玉ねぎが精密に判定され、一定の基準をクリアできなかったものは、手作業による選別ラインへ運ばれます。
また、重量計付きロボットアームでは、自動的に玉ねぎ1玉の重量を計測します。これにより、箱の総重量を既定の範囲内に収めることが可能です。
箱詰めラインの自動化
選果が終わった後は、箱詰めの工程に移ります。その際、ロボットアームが野菜などをつかんで段ボール箱に入れる作業の自動化が進んでいます。野菜ごとに大きさや形状が異なるため、衝撃や傷を与えないよう、その調整には細心の注意が必要ですが、実装できれば大幅な作業効率化と人件費の削減につながります。
段ボール自動組み立て
箱詰めに先行して必要になるのが、段ボール箱を組み立てる作業です。わざわざ人が組み立てて箱の形状にすると、手間と時間がかかります。選果場では選果がメイン作業となるため、箱の組み立てや箱詰めにリソースを割きたくないところがありますが、自動化により解決できます。
選果場の段ボール組み立てを自動化する方法
先にご紹介した選果場の段ボール組み立てを自動化する方法を、より詳しく、具体的なソリューションをもとにご紹介します。
段ボール組み立ての自動化の仕組み
段ボールを組み立てる作業を「製函(せいかん)」と呼び、その作業を自動化する機械を「製函機」と呼びます。製函機は、段ボールシートを入れると折り作業を自動的に行い、最終的には箱の状態になって排出されます。
製函機使用のメリット
製函機を使用することで、人力で行うよりも迅速に箱が組み上がるため、自動選別機などと共に導入すれば、人件費削減はもちろん、作業のスピードアップと効率化にも寄与します。
日本トーカンパッケージの独自包装システム「Automatic Tray」がもたらす効果
日本トーカンパッケージは、青果物専用段ボールとして、ディスプレイ三角柱形状やトレー形式の箱を開発し、それらを全自動で製函する機械を含む独自包装システム「Automatic Tray(オートマチックトレー)」と共にご提供しています。
オートマチックトレーでは、独自技術により精度の高いトレーを成型できます。トレーの4コーナーに三角柱の構造を設ける、または2重折込みにすることにより、十分な耐圧強度を持たせることができます。
手組みでは難しい複雑な形状を成型できるほか、桟や蓋も糊貼りできるため、様々な製品や要求に対応できます。
トレー形状の段ボールで配送することは、強度面の課題がありますが、オートマチックトレーでは箱内部の構造で耐圧強度を上げられるため、課題を解決できます。
選果後のトラックへの荷積みまでの時間を短縮しながら、省人化やコスト削減につなげられます。
【関連リンク】
>青果物業界向け包装仕様・包装設備サービス
まとめ
選果場では人手不足と高齢化が深刻化しており、業務負荷が高まっている中、自動化が急速に進められています。
選果場内のあらゆる作業を自動化することで、省人化と業務効率化を実現し、生産性向上を目指せます。
今回ご紹介した、日本トーカンパッケージの独自包装システム「Automatic Tray」は、選果場の自動化と業務効率化、コスト削減のお役に立つことが可能です。段ボールの組み立てを中心とした効率化にご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。






