1．物流改善の必要性

現在、多くの企業で物流改善が求められる背景として「物流2024年問題」があります。これは、働き方関連法によって、2024年4月以降から、トラックドライバーの年間時間外労働の上限が960時間に制限されることで生じる諸問題のことです。

トラックドライバーの稼働時間が減ることで、運送会社にとっては、1日に運べる荷物の量が減ることを意味するため、全面的な対応策が必要になっています。

さまざまなアプローチ方法がある中で、特に物流効率化を図り、物流改善を目指す動きが高まっています。

また、物流2024年問題の他にも近年の物流業界は人手不足や高齢化、EC物流量の増加といった課題に直面していることからも、物流改善が求められています。

その物流改善の多数の方法の一つに、段ボールによる物流改善が挙げられます。段ボールは物流において重要な梱包材の一つであり、多く流通している素材です。その段ボールには、さまざまな物流機能を備えています。

2．段ボールの物流機能とは？

一般的な物流工程においては、商品入出庫・棚入れから、仕分け・検品、商品在庫管理・保管、受注、ピッキング、梱包、発送、輸送まで多様な業務があります。

そのうち、段ボールは物流機能として主に梱包、仕分け、保管、輸送の4つの工程を支える機能を備えています。それらの機能について詳しく見ていきましょう。

・形状の柔軟性
段ボールは柔軟に形状を設計することができます。中身の商品に合わせてオーダーメイドで寸法や形状を作ることができます。

・緩衝性
段ボールは厚みがあることから、緩衝性を有します。表ライナー、中芯、裏ライナーの3層構造になっているので、輸送時の振動や衝撃から内容物を守り、破損を防いでくれます。

・軽量
段ボールは軽量であるため、入出荷時や仕分け時など作業者への負担軽減に大きく貢献します。

・保管スペースの確保
段ボールは納品時にはたたんだ状態で納品されるため、必要な数量のみ箱組みをして使用できます。また、使用済みの段ボールはたたんで平らな状態で保管できるので、それほどスペースを取りません。

3．段ボールの形状を工夫すれば物流改善につながる

ご紹介したように、段ボールは物流工程において多様な機能を有することから、重要な役割を持っています。

段ボールの形状を工夫することで、梱包・輸送、仕分け、保管の機能を最大限に活かすことができるので、物流の効率化が可能になります。

トラックへの積載効率を高めることを目的に形状を工夫することで、一度に運べる荷物の量が増え、トラック内の無駄なスペースの削減にもなるため、物流効率化につながります。

例えば、これまで商品を入れていた段ボール箱の中に無駄な隙間ができていたのであれば、段ボールの寸法を変更してその隙間を埋めることで、段ボールの紙の量とコストを削減できます。また、これによってトラックに積み込める段ボール箱の数が増えるので、積載効率が上がります。

4．物流課題解決につながる段ボールの例

具体的に、梱包・封緘作業を改善できる段ボールの例をご紹介します。

ご提案事例:水菜用 1.ノンステープル（天面:押し込みロック）
梱包・封緘（テープなどで封をすること）作業においては、ノンステープル段ボールという金属製の留め具「ステープル」が使われていない特殊な段ボールの活用が有効です。テープやステープルなどの副資材を使用せず、手作業での組み立てや解体が簡単なので、梱包・封緘作業の簡便化や時間短縮につながります。天面は上から押し込むと切り込みに引っかかり、固定される構造になっており、力をそれほど入れずに作業ができるメリットもあります。

ご提案品:宅配用発送箱 2.ラベルフーカンパッケージ
宅配便のラベルで封緘する段ボールです。テープを用いた一般的な封緘作業の手間を省くことができます。また、上フタにあるロック機能で、ラベルで封緘した後に上フタが開いてしまうことを防ぐことができる構造となっています。

3.ワントランスフォーマーパッケージ
三角の切り込み部分を起点にくるっと回すと、固定機能のある発送箱に変形する段ボールです。1ピースで作られているため、在庫管理がしやすく保管場所を省スペースにとどめられるのが特徴です。

5．まとめ

物流改善が求められる中、多様な物流機能を持つ段ボールは大いに活用することが可能です。ぜひこの機会に、段ボールを見直してみてはいかがでしょうか。今回、ご紹介した特殊な段ボールの詳細は、お役立ち資料「物流課題を解決 ~ヒラメキノハコ~」にてご確認いただけます。

本資料では、段ボールを活用した物流課題解決手段を「1.開封作業改善」「2.梱包 /封緘業務改善」「3.陳列業務改善」「4.作業性改善」「5.品質管理」「6.コストダウン」 「7.販路拡大」「8.SDGs/その他」のカテゴリに分けて、わかりやすく解説しています。

ぜひダウンロードしてご覧いただき、物流改善にお役立てください。