物流業界では、人手不足や物流量の増加、物流2024年問題をはじめとしたあらゆる課題を背景に、業務効率化やコスト削減の必要性が増しています。
そのうち、早急に対応しなければならないことの一つに、物流リードタイムの短縮化があります。
今回は、リードタイムを短縮するメリットから短縮方法、短縮につながる段ボールの活用方法をご紹介します。
1.物流のリードタイムとは?
物流のリードタイムとは、一般的に荷主やEC販売事業者が商品を発注してから、物流工程を経て、納品または配送完了までにかかる時間や日数のことを指します。
物流リードタイムは、主に次の種類が挙げられます。
●受注・出荷リードタイム
受注から、倉庫や物流センターなどで商品をピッキング、梱包、トラックへ積み込みして出荷するまでにかかる時間です。
●輸配送リードタイム
商品をトラックへ積み込んで出荷してから、納品先、もしくは顧客のもとに届くまでの、輸配送にかかる時間です。
●販売リードタイム
主にEC事業者において、ECサイトで販売する商品が手元に届いてから、ECサイト上で購入できる状態になるまでにかかる時間を指します。
これらの物流リードタイムは、できるだけ短縮することが多方面から求められています。
2.物流リードタイムを短縮するメリット
物流リードタイムを短縮することにより、次のようなメリットが得られると考えられます。
●物流2024年問題への対応策となる
物流の2024年問題とは、働き方改革関連法において2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働が上限960時間(1ヵ月あたりに直すと80 時間)に制限されることに伴い発生する諸問題のことを指します。
物流業界における自動車運転業務は主にトラックドライバーの運転業務を指しますが、時間外労働の上限が960時間に明確化されることで、従来よりも輸送量が減少し、仕事量が減ることによって、自社の売上が減少する恐れがあります。そこで物流リードタイムを短縮する方向性に舵を切ることで、課題に対応することができます。
●販売機会の損失防止につながる
物流リードタイムを短縮することによって、同じ時間内により多くの商品を出荷・輸送できることから、より多くの商品を販売できる可能性が高まります。やがて収益の向上につながるでしょう。また、商品が顧客や納品先に届くまでの期間が短縮されることで、販売機会の損失を防ぎ、顧客については満足度が向上し、リピート率向上にもつながります。
●在庫リスクの減少
リードタイムを短縮することによって、より多くの商品を出荷・輸送できるようになることは、余剰在庫の削減にもつながります。在庫補充のペースを早くすることができれば、在庫過多のリスクが減ります。
●在庫管理コストの削減
在庫が適正化されることで、在庫を保管する必要スペースが縮小できるので、倉庫を借りている場合には賃貸コストを削減することができます。また、保管する在庫が減ることにより、在庫管理の人件費も減らせる可能性があります。
このようにリードタイム短縮により、在庫管理コストの削減につながることがあります。
3.段ボール活用で実現する出荷・輸送のリードタイム短縮方法
出荷や輸送に関わるリードタイムについては段ボールを活用することで短縮できます。具体的な方法を紹介します。
3-1.受注・出荷リードタイムの削減
●製函機などを用いたソリューションで梱包自動化
受注してから出荷までの物流工程におけるリードタイムを短縮するには、梱包の工程を自動化する方法があります。箱組みを自動化する製函機や、段ボール箱の成形を自動化する成形機などを用いたソリューションで梱包自動化が実現します。
日本トーカンパッケージの「Eco Quick BOX(エコクイックBOX)」という半自動タイプの製函機を用いれば、ECでよく使用される薄型ダンボールの使用面積をさらに削減できる画期的な梱包箱を利用しながら梱包作業を効率化させることが可能です。
梱包作業の効率化によるリードタイム削減が実現するだけでなく、薄型段ボールの紙器は使用面積を最大20%減少させることができるので、製函機との併用で、包材と梱包作業両面でのコストダウンも実現します。
●段ボールの積み方の工夫により荷崩れ防止
段ボールのパレットやトラックへの積み方を工夫することは、現場の作業の業務効率の改善につながります。なぜなら段ボールをパレットへ積む際、積み方を工夫することによって荷崩れがしにくくなったり、荷物がパレットからはみ出したりして重力や圧力のバランスが崩れるオーバーハングを防止できたりすることで、積み直しや調整にかかる無駄な時間を削減することができるからです。
3-2.輸送リードタイムの削減
●段ボール形状の見直しによりトラックへの積載効率を改善する
輸送リードタイムを削減するには、トラックへの積載効率を向上させることが有効です。
段ボール箱のサイズを見直すことでトラックへの商品の積載効率を向上させることができ、一回の輸送でより多くの荷物を運ぶことができるようになるからです。段ボール箱のサイズダウンなどの仕様変更と積載率向上は、リードタイム削減につながります。
4.まとめ
物流リードタイムを短縮することは、物流課題の解決の一助となるばかりでなく、メリットも多くあります。
ご紹介したように、段ボールを活用することで、物流リードタイム短縮につながる方法は複数あります。
日本トーカンパッケージでは、段ボール活用による物流リードタイム短縮をはじめとした業務改善やコスト削減に寄与するソリューションをご提供しております。
例えば、梱包自動化が可能な製函機と積載効率を上げる梱包資材のセットで物流課題を解決するソリューションで、梱包作業を大幅に効率化できます。
その他の物流課題でお困りの方は、物流2024年問題の課題解決策をまとめた資料「物流2024年問題まるわかりガイド」をご一読ください。