小売の現場を改善する段ボールカット陳列とは?
デメリットを補う
シェルフレディパッケージのススメ

小売の現場を改善する段ボールカット陳列とは? デメリットを補うシェルフレディパッケージのススメ

近年、小売業界では人手不足や業務効率化、生産性向上など多数の課題に直面しています。そうした中、少ない人員でより効率的に作業を行う必要があります。こうした中、現場での商品の陳列作業の負荷を軽減する「段ボールカット陳列」について特徴やデメリットについて探ります。段ボールカット陳列に代わる、効率的なシェフルレディパッケージの特徴や具体例についてもご紹介します。

段ボールカット陳列とは?

段ボールカット陳列とは?

段ボールカット陳列とは、小売店舗の店頭における商品の陳列方法の一種です。その名の通り、商品が梱包された段ボール箱をカッターなどで従業員が自らカットして商品を露わにした状態で段ボール箱におさめたまま、陳列する方法です。もしくは、段ボールで棚を作り、陳列することもあります。

通常は、段ボール箱に梱包されている商品を取り出して陳列棚に並べて陳列しますが、段ボールカット陳列は、段ボール箱をカットして、一部の段ボールを取り除くだけでそのまま陳列する簡易的な陳列方法となります。

段ボールカット陳列の特徴

段ボールカット陳列の特徴

段ボールカット陳列は、多くの小売店舗で導入されています。その理由としては、次のような特徴やメリットがあるためと考えられます。

●陳列する什器の削減
商品の陳列には、陳列棚などの什器が必要ですが、陳列する什器や什器を置くスペースが足りないケースもあります。その場合に、段ボールカット陳列は、什器なしで陳列できるので什器のコストや配置スペースの削減につながります。

●労働時間・手間の削減
段ボールカット陳列は、従業員がカットしてそのまま陳列できるため、商品を一つ一つ並べる品出しの作業時間や手間を大幅に削減できます。ただ並べれば良いというわけではなく、きれいに見た目よく、また賞味期限を配慮した陳列が必要になる作業です。また、調味料や酒類などの重量があり、大量に仕入れることのある商品についてはより労力がかかります。こうした作業をなくすことができるのはメリットといえます。

段ボールカット陳列のデメリット

段ボールカット陳列の特徴

一方で、段ボールカット陳列には次のようなデメリットがあります。

●中の商品にカッターで傷を付けてしまう恐れがある
段ボールカット陣列の特徴は、カッターなどで段ボールをカットする点です。手軽な一方で、カットするときに中の商品にまでカッターの刃が行き届いてしまい、商品を傷つけてしまう恐れがあります。商品がパウチ袋入りの液体商品だった場合、液体がこぼれ出して汚れてしまうなどすれば、商品とコストの損失となるばかりか、掃除の手間も大幅にかかってしまいます。

●段ボールを綺麗にカットするのは意外とむずかしい
店頭に陳列するため、段ボールをカットするときにはある程度、綺麗にカットする必要があります。その作業は意外とむずかしく、カットすること自体が手間となってしまいます。

●切り口が無造作になりがちで見た目が劣る
段ボールをカットする際に、誤って斜めにカットしてしまったり、切り口が無造作になってしまい見た目が劣ってしまうことがあります。その場合は、手間であっても什器に陳列したほうが美観を損ねずに済みます。特に高級感を出したい商品や売り場には、段ボールカット陳列は不向きです。

段ボールカット陳列のデメリットを補うシェルフレディパッケージとは? 具体例もご紹介

段ボールカット陳列のデメリットを補うシェルフレディパッケージとは? 具体例もご紹介

段ボールカット陳列は、メリットとデメリットがあります。そのため、メリットを享受するために、デメリットを補い、質の高い段ボール陳列を行うことができればより良いでしょう。その理想的な段ボール箱が開発されています。それが「シェルフレディパッケージ」です。

●シェルフレディパッケージとは? シェルフレディパッケージ(SRP)とは、開封後、箱のまま店頭陳列ができる輸送包装を指します。小売業を支援するパッケージとして、2005年頃から欧州で使用されるようになり、現在はサプライチェーン全体をサポートする輸送包装として活用が拡大しています。

日本でも、2010年頃に大手小売業においてシェルフレディパッケージ活用の取り組みが発表されたことをきっかけに広がりました。

現在ではさまざまな形状や構造のものが開発されていますが、基本的に、箱にジッパー(ミシン目)が入っており、カッターを使わず、指で箱の一部を切り取って商品を露わにすることができる仕組みになっています。

●シェルフレディパッケージの具体例
日本トーカンパッケージの段ボール資材を利用したシェルフレディパッケージの例をご紹介します。

1.シェルフレディパッケージA式(長短面開封・段ボール陳列対応)
A式タイプのケースで、長側面と短側面の両方にジッパーが施してあり、手軽に開封できます。天面も切り取ることができるよう、ジッパー加工がされているため、切り取ってそのまま陳列可能です。
最上段列は上から商品を取り出すことができます。ケースを積み重ねることも可能であり、下段もサイドから商品を見せながら陳列できます。


2.シェルフレディパッケージA式(長短面開封・平積みパウチ段ボール陳列対応)
パウチ商品に適したA式タイプのケースです。箱詰めするときは商品を寝かせて平積みし、陳列するときには箱の向きを変えることで商品を立てた状態で陳列できます。


3.シェルフレディパッケージA式(短側面開封・段ボール陳列対応)
短側面側から開封できるA式タイプのケースです。短側面に表面のある商品を段ボール箱に入れたまま陳列できます。段ボール箱に入れたままの陳列では商品の表面が段ボールで隠れてしまい、視認性が劣ってしまうこともありますが、このタイプはそのデメリットを補うことができます。


4.シェルフレディパッケージ・ラップアラウンドケース(長側面オープン・商品簡易陳列タイプ)
天面側を取り外して、底面側を陳列用トレーとして使用できるラップアラウンドケースです。開口部に指をかけ、長側面のジッパーから簡単に開封できます。


5.シェルフレディパッケージ・ラップアラウンドケース
(フラワーオープン・トレー商品簡易取り出しタイプ)

ラップアラウンドケースの天面を花のような形に開封し、トレーシュリンクされた商品を取り出してトレーに載せたまま陳列できます。


6.シェルフレディパッケージ・ラップアラウンドケース
(パーティーオープン・商品簡易陳列タイプ)
天面中央からスナック菓子の「パーティー開け」のように、左右両側に開封し、底面側を陳列用トレーとして使えるラップアラウンドケースです。箱のまま陳列でき、取り出しも容易に行えます。

シェルフレディパッケージのメリット

シェルフレディパッケージのメリット

シェルフレディパッケージは、次のようなメリットがあります。

●手間の削減・業務効率化
ジッパー加工がされていたり、開封しやすいように工夫が施されているため、段ボールカットよりも簡単に開封できます。作業の手間の削減や業務効率化につながります。
またカッターを使用せずに済むため、中の商品を傷つけることはなく、ケガの恐れもありません。

●ケースの形状によって、商品の表面をアピールできる
ご紹介したように、シェルフレディパッケージにはさまざまな形状があります。ケースの形状によって、商品の写真やロゴの入った表面をアピールできるため、小売店の来店客を惹きつけることができます。

●パッケージ印刷によって販促ツールに
ケースのまま陳列するシェルフレディパッケージは、ケースの表面に印刷を施すことで、販促ツールにもなります。

このように、シェルフレディパッケージは段ボールカット陳列にはないメリットが多くあるため、段ボールカット陳列に代わる方法としておすすめです。

まとめ

段ボールカット陳列とシェルフレディパッケージについてご紹介しました。小売店舗の課題解決のために、シェルフレディパッケージを検討されてはいかがでしょうか。

今回ご紹介したシェルフレディパッケージの詳細は、お役立ち資料の「物流課題を解決~ヒラメキノハコ~」でご紹介しております。無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

物流課題を解決~ヒラメキノハコ~