段ボールは、商品の配送や保管において、その耐久性と利便性から広く利用されています。しかし、段ボールが破損することによって、内容物が損傷することや、配送コストが増加することが近年、問題視されています。本コラムでは、段ボール破損の主な原因とその対策について詳しく解説し、安全かつ効率的な梱包方法を探っていきます。
目次
1. 段ボール破損の主な原因
はじめに、段ボール破損の主な原因について解説していきます。
宅配・輸送中の衝撃
段ボール破損の原因の一つは、宅配便などの輸送中に起こる衝撃です。特に、トラックや航空機内での振動や衝撃により、段ボールが破損することがあります。また、積み下ろし時に無理な力が加わることや、輸送中の急ブレーキや急カーブも段ボールの角や側面が潰れ、破損のリスクを高めます。
過剰な重量
段ボールの耐荷重を超える荷物を詰め込むことも、破損の大きな原因です。段ボールにはそれぞれ耐えられる重量が設定されており、それを超えると底抜けや変形が発生します。特に底抜けは、荷物が地面に直接落ちるため、内容物にも大きなダメージを与える可能性があります。
不適切な取り扱い
もちろん、不適切な取り扱いによっても破損が起きる場合があります。宅配業者が荷物を無理に積み重ねたり、片手で持ち上げようとしたりする行為は、段ボールに不均等な力がかかり、破損を招きます。また、投げるような運搬方法も段ボールの破損を引き起こす主要な原因です。
梱包材が荷物に合っていない
梱包材が荷物のサイズ、形状、重さに適していない場合も、破損しやすくなります。例えば、段ボールの材質に対して重すぎる荷物を詰め込むと、その段ボールは容易に変形し、破損するリスクが高まります。また、荷物が段ボール内で動くスペースがあると、輸送中に内部で衝撃が発生し、段ボールの内側から破損することもあります。
2. 段ボール破損を防ぐための対策
段ボール破損を防ぐためには、いくつかの対策を講じることが必要です。以下では、具体的な方法について解説します。
輸送中の保護
輸送中の段ボール破損を防ぐためには、まず輸送業者との連携が欠かせません。適切な取り扱いを依頼することで、段ボールが乱暴に扱われるリスクを減少させることが期待できます。
また、「上積み厳禁」や「割れ物注意」などの注意ラベルを貼付することも重要となります。
重量の管理
次に、段ボールの破損を防ぐためには、適切な重量管理が必要です。まず、使用する段ボールの耐荷重を確認し、その範囲内で荷物を梱包することが基本です。耐荷重を超える重量を梱包すると、段ボールが破損するリスクが高まります。重量オーバーの場合は、荷物を複数の段ボールに分けたりすることで、一つの段ボールにかかる負担を分散させることが求められます。
適切な梱包材選び
段ボール破損を防ぐためには、荷物の重さや形状に応じた段ボールの材質選定が重要です。例えば、重い荷物には硬い材質の段ボールを使用し、段ボールの形状も内容物に合わせて選ぶことが推奨されます。また、内部にクッション材を使用することで、輸送中の衝撃を吸収し、破損を防ぐことができます。エアキャップや発泡スチロール、紙製などのクッション材を適切に使用することで、段ボールの内部からの破損リスクも減少させることが期待できます。
3. 梱包材の種類と特徴
続いて、梱包材の種類とそれぞれの特徴を解説致します。
段ボール
・メリット
箱の形状の設計の自由度が高く、様々なサイズや形状にカスタマイズすることができる
リサイクル性に優れているため環境に優しい
耐衝撃性が高く、重い物や壊れやすい物の梱包に適している。
・デメリット
水ぬれに弱い
段ボールの段目の方向によって強度に差がある
プラスチックコンテナ
・メリット
耐久性があり、長期間繰り返し利用できる
水や湿気に強く、内容物を保護する。
スタッキングが可能で、保管時のスペースを節約できる。
・デメリット
広い保管スペースが必要(折り畳み不可のもの)
重くなることがあり、運搬が大変。
廃棄の際に手間とコストの負担が大きい
脱プラスチックの流れに反している
宅配袋・宅配封筒
・メリット
袋状の容れ物でサイズや厚み、形状が多彩
小さいものや細かなものもそのまま入れられる
軽量
輸送コストが安価
保管時にも箱と比べて省スペース
・デメリット
梱包できる内容物が限定的
耐久性に不安がある場合には補強が必要
水ぬれに弱い
4. 最適な梱包材の選び方
ここまで、段ボールが破損する原因から梱包材の種類までご紹介してきました。最後に、段ボール破損を防ぐための最適な梱包材の選び方について詳しく解説します。
荷物のサイズを測る
適切なサイズの段ボールを選ぶことで、荷物が動き回る余地を減らし、破損のリスクを低減できます。荷物が箱の中で動くと、その摩擦や衝撃で破損が生じやすくなります。段ボールのサイズが大きすぎる場合は、緩衝材を多めに使用して荷物を固定することが必要です。逆に、箱が小さすぎると、荷物が圧迫されて破損する可能性があります。そのため、段ボールの破損を防ぐステップとしてまず、梱包する荷物のサイズを正確に測り、適切なサイズの段ボールを選ぶようにしましょう。
箱の構造と耐久性に注意する
段ボールの構造と耐久性も非常に重要です。段ボールには様々な材質があり、硬い材質を選ぶことで強度を高めることが可能です。また、段ボールにはシングルフルート、ダブルフルートなどの種類があり、それぞれ強度が異なります。重い荷物や壊れやすい物品を送る場合は、ダブルフルートの段ボールを選ぶことで、段ボール破損のリスクを大幅に減少させることができます。
段ボールの耐荷重に注意する
段ボール破損を防ぐためには、耐荷重にも注意が必要です。段ボールにはそれぞれの耐荷重があり、それを超えると破損のリスクが高まります。荷物の重量と積み段数を正確に把握し、段ボールの耐荷重が十分であることを確認することが大切です。また、湿度など様々な外部要因で段ボールの強度が劣化することが考えられるため、必要最低限の材質を選定することにはリスクがあります。そこで、段ボールの材質選定では「安全率」という考え方を採用しています。例えば、箱にかかる最大重量が50kgだとすると、安全率3倍では150kg、安全率5倍では250kgに耐えられる材質を選びます。安全率の基準は企業や業界によって異なりますが、一般的には安全率3倍以上を設定します。荷物の重量の正確な把握と安全率の考え方により、どのような環境でも破損しないように対策をすることができます。
まとめ
本コラムでは、段ボールの破損する原因から破損を防ぐ方法、最適な梱包材選びの解説をご紹介しました。
日本トーカンパッケージでは、商品のご提供に留まらず、お客様のご要望に対応した形態提案やパッケージデザイン、梱包作業の効率化や省人化のシステム構築など物流企業が抱える課題に合わせた総合支援を行っております。段ボールの強度に関するご相談も承っております。
物流業務で、悩みごとがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。