ホワイト物流とは? メリット・デメリット事例のご紹介

国内の多くの業界で課題となる人手不足。特に物流業界におけるトラック運転手不足は深刻化しており、高齢化や女性活躍推進の必要性、トラック調達コストの上昇など、あらゆる課題が浮き彫りとなっています。
国内で「ホワイト物流」推進運動が進められる中、多くの企業が賛同しています。
物流に関わるすべての企業にとって重要となるホワイト物流について、概要、メリットとデメリット、事例をご紹介します。

1.ホワイト物流とは

ホワイト物流とは、国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省主体で行われている「ホワイト物流」推進運動からきている言葉です。

近年、物流業界において、トラック運転手不足の問題が深刻化している中、人々の生活や産業活動に必要不可欠な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長を促す必要があります。

そうした背景から、トラック輸送の生産性の向上や物流の効率化を推進し、女性や60代以上の運転手も働きやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現に取り組むことを推進しています。

ホワイト物流の実現のためには、生産性の高い物流と共に、運転手が働きやすく、負担の少ない労働環境を作る働き方改革の実現の両立が必要です。そのためには、物流における荷主企業、納品先企業、物流事業者が理解・協力し合うことにより、物流の非効率な点の見直しに取り組むことが重要とされています。

「ホワイト物流」推進運動は、すでに多くの企業が賛同を表明しており、令和4年3月26日時点の賛同企業数は1386社となっています。
日本トーカンパッケージも賛同企業の一つです。同時に、持続可能な物流の実現に向けた自主行動宣言をしており、段ボールの包装提案などの物流の改善提案を行っています。

2.ホワイト物流に取り組むメリット・デメリット

ホワイト物流を実現するには、各企業の協力が欠かせません。そこで、企業がホワイト物流実現のために取り組む際に、どのようなメリットとデメリットが生まれるのかを確認しておきましょう。

2-1.メリット

・トラック運転手の負荷軽減
・働きやすい環境構築
・生産性の向上
・社会的な物流機能の維持
・物流効率改善によるCO2の排出量削減
・社内・社外へのイメージアップ

メリットについては、「ホワイト物流」推進運動の目的である、トラック運転手の負荷軽減や働きやすい環境構築、生産性の向上が実現し、物流に関わる企業全体に良い効果がもたらされる点と考えられます。これらが実現すれば、生活に欠かせない物流機能が維持できます。
また、SDGs(持続可能な開発目標)への企業の取り組みが活発化する中で、環境負荷の高い自動車の燃費改善や、鉄道や船舶へのモーダルシフトを通じた物流改善によって、CO2排出量削減につながることは、SDGs貢献にも寄与します。
何より「ホワイト物流」を推進していることで、社内外へのイメージアップにつながり、社外に対してはブランディングにも良い影響が見込めます。

2-2.デメリット

・物流コスト・リードタイム増加の可能性
・取引先企業からの協力が得られない可能性

一方で、物流改善・効率化は簡単ではありません。現状の見直しや業務改善に割く工数やコストは予想がつかないものです。また、新たなサービスの仕組み作りの余地も生じるため、これまで取引していた企業との関係が変化したり、協力が得られない可能性もあります。

ホワイト物流はメリットが大きいことから、デメリットは課題ととらえ、あらゆる工夫を行い、対策を行うことが重要といえます。

3.ホワイト物流の取り組み事例

参考に、ホワイト物流に取り組んでいる企業の事例を、荷主企業と物流企業それぞれご紹介します。

●荷主企業
ある荷主企業は、ホワイト物流実現のために、運送内容の見直しのほか、独自の取り組みとして、土曜・祝日の輸送依頼を縮小したり、輸送依頼は出荷日の前々日に行うよう努めたりと積極的に改善施策を行っています。また、モーダルシフト化も積極的に実施しており、モーダルシフト化率は約50%を実現しています。

●物流企業
ある物流企業は、ホワイト物流実現のために業務のシステム化を実施しました。その結果、物流工程を管理する担当者の負担軽減や時間短縮、コスト削減を実現しています。
また、ドライバー付帯作業の見直しも実施し、本当に必要かどうかを作業ごとに把握し、不要であればなくす、必要であれば残すが、荷主企業への費用の支払いを交渉するなどの工夫をしました。

4.まとめ

ホワイト物流は、物流機能維持、経済成長の必要な現代社会において欠かせない取り組みです。しかし実現には多くの関係企業が協力をする必要があります。メリットを皆で享受するためにも、ぜひ積極的に取り組んでいきたいものです。

日本トーカンパッケージは、「ホワイト物流」推進運動に賛同しており、持続可能な物流の実現に向けた自主行動宣言をしています。
事業活動に必要な物流の持続的・安定的な確保を経営課題として認識し、生産性の高い物流と働き方改革の実現に向け、取引先や物流事業者等の関係者との相互理解と協力のもとで、物流の改善に取り組むことを宣言しています。

具体的な取り組みとしては「物流の改善提案と協力」のほか、パレット、カゴ台車、折りたたみコンテナ、通い箱等を活用し、荷役時間を削減する「パレット等の活用」、「運送契約の書面化の推進」「運賃と料金の別建て契約」「下請取引の適正化」「異常気象時等の運行の中止・中断等」を実施しております。

また当社は、段ボールの包装提案によって、今回ご紹介したホワイト物流のメリットである、働く環境改善や、物流効率改善によるCO2の排出量削減などを最大限に活かし、デメリットについては軽減するためのご提案が可能です。また、物流企業が運べないリスクを回避するために必要な施策のご提案もできます。