グリーン物流の方法をご紹介!
段ボールパレットと梱包資材の活用で
環境負荷を減らす

グリーン物流の方法をご紹介!段ボールパレットと梱包資材の活用で環境負荷を減らす

近年、気候変動による地球温暖化が世界的に問題になっています。こうした中、脱炭素の取り組みは急務となっており、ESG経営やSDGs経営といった経営視点から環境負荷を減らす取り組みが進められています。エネルギーや産業、物流、農業、建築や都市計画、廃棄物などあらゆる分野で取り組みが行われている中、物流においてはトラックなどから排出されるCO2の削減が求められています。

今回は、地球に優しい物流の取り組みである「グリーン物流」に焦点を当て、物流にかかわる各企業が取り組むメリットと共に、トラック輸送と資材の有効活用によるグリーン物流の具体的な取り組み方法をご紹介します。

1.グリーン物流とは?

グリーン物流とは?

グリーン物流とは、物流工程における主にトラック輸送にて排出されるCO2量の削減や物流資材の有効活用などの地球に優しい物流の取り組みの総称です。グリーンロジスティクスとも呼ばれます。

国土交通省の統計(※)によれば、2021年度における日本のCO2排出量10億6,400万トンのうち、自動車や船舶といった運輸部門からの排出量は1億8,500万トンで17.4%を占めています。トラックをはじめとした自動車全体の物流改善は、低炭素社会を実現するためには重要な課題といえます。

※出典:国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」

グリーン物流の担い手は、配送業者だけでなく、物流に関わるすべての関係各者です。荷主企業や消費者も含めた多方面からのアプローチが求められています。

●なぜグリーン物流が注目されているのか
グリーン物流が注目され、推進されている背景として、次のことが挙げられます。

・京都議定書、パリ協定による目標
日本は国際的な第3回気候変動枠組条約締約国会議で採択された京都議定書で、温室効果ガスを1990年から2012年までに6%減らすことを諸外国に対して約束しました。

そして2015年に採択されたパリ協定では、先進国における長期目標として1990年と比べ、2050年までに80%の排出を削減する目標を掲げました。これらの目標を達成するために、日本は温室効果ガスの排出量削減を急いでいます。

・日本における2005年の物流総合効率化法の施行と2006年の省エネ法改正
日本では物流分野における環境関連の法律の施行が進んでいることも背景の一つとなっています。

2005年に施行された「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)」では、輸送、保管、荷捌き、流通加工といった流通業務を一体的に実施し、輸送網の集約やモーダルシフト、輸配送の共同化などの輸送の合理化により、流通業務の効率化を図る事業に対する計画の認定や支援措置などが定められました。

2006年に改正された「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」では、これまで対象外だった輸送部門についても省エネ対策が義務付けられました。指定の輸送事業者は、省エネ計画の作成や提出、エネルギー消費量の報告などを行う必要があります。

また2005年には国土交通省主導で「グリーン物流パートナーシップ会議」が設立されました。荷主企業や物流事業者が、単独では困難なグリーン物流の実現を目指してパートナーシップを組むことで、産業横断的に協働してグリーン物流を進めています。

これらを背景に、日本では各所でグリーン物流に向けた取り組みが加速しています。

2.グリーン物流を推進するメリット

グリーン物流を推進するメリット

グリーン物流を推進することは、次のようなメリットが期待できます。

●物流効率化・コスト削減
地球環境を配慮した取り組みを進めることは、同時に物流の効率化とコスト削減にも寄与します。理由としては、環境配慮による取り組みにより現行プロセスの無駄が洗い出され、削減される可能性があるためです。そして物流サプライチェーン全体が協力し合い、物流全体の最適化が進めば、物流の効率化につながります。

またトラックから鉄道や海運へと輸送手段を振り替えるモーダルシフトや複数荷主による共同配送、梱包の効率化や包装資材の無駄の削減などの取り組みにより、効率化が進むことでコスト削減につなげることも可能です。

●顧客・ビジネスの拡大
近年は顧客の環境意識が高まっており、持続可能な環境配慮の対応は商品やサービス選定時の大きな検討材料の一つとなっています。また、環境配慮の対応がブランド価値を高めることにつながれば、顧客からの支持も増加するでしょう。また法的規制への対応や自社のリスク管理の強化なども実現することから、事業の持続可能性を追求することができます。ビジネスの発展にも寄与するでしょう。

●CSR・SDGsへの貢献
グリーン物流を進めることは、現代の経営に欠かせないCSRやSDGsの推進につながります。特にSDGsへの対応は投資家からの要求も高まっており、取り組みを進めることは対応策の一つになり得ます。持続可能な物流を実現すれば、地域社会および国への貢献につながり、企業としての責任を果たすことができます。

3.グリーン物流の取り組み方法~トラック輸送によるCO2削減

グリーン物流の取り組み方法~トラック輸送によるCO2削減

グリーン物流の取り組み方法の一つとして、トラック輸送によるCO2削減の方法を見ていきましょう。

●燃費改善・モーダルシフト
トラックの燃費を改善します。急発進をしない、アイドリングストップを心がけるといった燃費ロスを防止する運転の工夫や、モーダルシフトが挙げられます。

モーダルシフトではトラックから船や鉄道での輸送に変更することで、CO2が大幅に削減できます。一方で、走行速度が遅くなることから、リードタイム削減も同時に行うなどの工夫が必要です。一定距離までは鉄道を用いて輸送し、適宜、トラックによる陸送を合わせる複合一貫輸送により、輸配送の効率化につながります。

●積載効率の向上
コロナ禍によるオンライン化が急速に進み、ECが普及したことで配送ニーズが増大しています。そうした中、問題視されているのが積載効率の低下です。一台のトラックにより多くの荷物を効率よく積むことができれば、稼働するトラック台数を減らすことが可能です。

積載効率を向上させる手法は数多くありますが、中でも段ボール箱の形状を変更して内容物より多く梱包することができるようにしたり、パレットのサイズに合わせて変更したりして最適化することで、積載効率向上につながります。

【関連リンク】
積載効率とは?改善事例など徹底解説!
積載効率向上で目指す物流改善

●輸送距離の短縮
トラックが稼働する距離を縮める取り組みです。従来の拠点の配置や輸送計画の見直しなどを通じて輸送距離を短縮する試みは、重要な施策の一つといえます。

●共同配送
企業の枠を超えて、同地域の荷物を同じトラックに積載して運ぶ共同配送は、トラック台数の削減およびCO2排出量の削減につながります。共同配送は、積載効率の向上やリードタイムの削減など物流課題を複数解決しながら、コスト削減にも寄与する可能性があります。

4.グリーン物流の取り組み方法~資材の有効活用によるCO2削減

グリーン物流の取り組み方法~資材の有効活用によるCO2削減

グリーン物流の取り組みは、資材の有効活用によっても進めることができます。

●包装資材の見直し
包装資材を環境負荷の少ないものに変更することで、環境負荷を低減できます。中でも有効なのが段ボールです。段ボールは国内における回収率が95%以上であり、リサイクルシステムが確立されている素材です。再利用できることから資源の浪費や廃棄を減らし、燃やして廃棄する際のCO2排出量を減らす環境に優しい素材といえます。

●3Rの取り組み
包装資材は再生利用のリサイクルだけでなく、ごみを減らすリデュース、繰り返し使うリユースも含めた「3R」すべてを意識することが重要です。

そもそも包装資材を使わない、できるだけ少なくするといった工夫でリデュースは可能です。段ボール資材については軽量化された原紙を組み合わせることで原紙使用量の削減が実現でき、環境対応とコスト削減が可能です。

またリユースについては、包装資材を回収する仕組みを作るといったことが考えられます。

5.まとめ

グリーン物流に取り組むことは、企業の責任を果たし、顧客や投資家からの支持を獲得する、長期的な企業成長のためにも重要な取り組みです。具体的な手段は複数あるため、自社に合った方法で取り組まれるのをおすすめします。

日本トーカンパッケージでは、グリーン物流を実現するためのさまざまなサービスをご提供しています。環境負荷の少ない段ボールを利用した効率的な梱包材の開発や、強度を高めた段ボールパレット(CFG)、段ボールへの製品の入れ方を工夫することで箱を小さくすることが出来る段ボール製品「コンパクトボックスシステム」などがございます。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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