1. 中国プラスチック規制の現状

早速、中国のプラスチック規制の状況について解説していきます。

対策の枠組み

中国のプラスチック規制は、2008年に施行された「プラスチック制限令」から始まりました。この法律は、厚さ0.025mm以下の超薄型プラスチック袋の生産、販売、使用を禁止し、厚さ0.025mm以上のプラスチック袋の有料化を義務付けるものでした。これにより、プラスチック袋の使用を減少させることを目指しました。

さらに、2020年1月には「プラスチック禁止令」が発表され、規制が一層強化されました。2020年までに一部の地域や分野で特定のプラスチック製品の生産、販売、使用が禁止または制限され、廃棄プラスチックの輸入も全面的に禁止されました。2022年までには、使い捨てプラスチック製品の消費量を明確にし、代替製品の普及を進めることが求められています。特に、プラスチック汚染が深刻な分野や、電子商取引、速達、デリバリーなどの新興分野において、再現可能なプラスチック削減モデルやグリーン物流のモデルを形成することが目指されています。

固形廃棄物法の改正

2020年4月には、固形廃棄物法が改正され、廃棄物の定義や廃棄物排出者への要求事項、廃棄物の輸入禁止、使い捨てプラスチックの使用禁止に関する規定が強化されました。この改正により、固形廃棄物の輸入がゼロとなることが目指されており、違反者には厳しい罰則が科されます。また、製品及び包装容器のリサイクルが義務付けられ、Eコマースや飲食業界における再使用・リサイクル可能な素材の使用が促進されています。

禁止または制限されるプラスチック製品（特定プラ製品の製造、販売の禁止）

「プラスチック汚染対策の一層の強化に関する意見」に基づき、特定のプラスチック製品の生産、販売、使用が禁止されることが明示されています。具体的には、厚さ0.025mm以下の超薄型レジ袋、使い捨ての発泡プラスチック食器、プラスチック製綿棒、マイクロプラスチックビーズを含む日用化学製品などが対象となっています。また、非生分解性のビニール袋や使い捨てのプラスチックストローなどの使用も段階的に禁止されています。さらに、使い捨て発泡プラスチック食器やプラスチックマイクロビーズを含む化粧品の製造・販売も段階的に禁止されており、2022年末までに全面的な禁止を目指しています。

非分解性プラ袋の使用禁止

非分解性プラスチック袋の使用禁止は、特に都市部での施策として進められており、2020年末までに直轄市や省都、計画単列市のショッピングモールやスーパーマーケットでの使用が禁止されました。2025年末までには、さらに多くの地域での禁止が予定されており、これによりプラスチック廃棄物の大幅な削減が期待されています。

使い捨てプラ食器の使用禁止

飲食業界における使い捨てプラスチック食器の使用禁止も、プラスチック汚染対策の一環として進められています。2020年末までに、全国のレストランでの非分解性使い捨てプラスチックストローの使用が禁止され、2022年末までには地方級レベル以上の都市エリアでの非分解性使い捨てプラスチック食器の使用が禁止される予定です。

タイや台湾近隣諸国でもプラスチック規制が推進

一方で、アジアの他の国々も同様にプラスチック規制を強化しています。タイでは、2025年までに廃プラスチックの輸入を全面的に禁止する見込みであり、国内では2022年に食品用プラスチック容器の品質や規格を厳格化しました。台湾も、中国の輸入禁止措置によって廃プラスチックの輸入が増加したことを受け、2018年に法令を改正し、廃棄物輸入の取り締まりを強化しています。

• ＞参考：中国の政策概要｜環境省

2. 中国プラスチック規制に対して日本の輸出業者が取り組むべき対策

上記のように、中国のプラスチック規制が厳格化される中、日本の輸出業者はこれに対する効果的な対策を講じることが求められています。特に、廃プラスチックの削減や代替素材の活用は、持続可能なビジネス運営の鍵となります。本章では、具体的なアプローチについて解説します。

規制を意識し廃プラスチックが出ないようにする

まず、廃プラスチックを出さないようにすることが重要です。国際的な廃プラスチック規制が強化される中、輸出業者はプラスチックの使用を最小限に抑える努力が求められます。具体的には、プラスチックを使用しない製品設計や、代替素材への切り替え、または包装におけるプラスチックの使用面積を削減することが考えられます。これにより、環境負荷を低減し、規制に対応することが可能となります。

プラスチック包装・梱包の代替を検討する

次に、プラスチック包装・梱包の代替を検討することが必要です。各国の規制に対応しつつ、環境への配慮を示すことができます。具体的な包装・梱包のプラスチック代替素材には、次のものが例として挙げられます。

1.段ボール
段ボールは、紙製であることから環境負荷が低く、プラスチック素材に代わる優良な素材です。段ボール包装や段ボールパレットなどで広く利用できます。

2.アルミ箔×紙製容器
食品包装容器によく使われるアルミ箔と紙を合わせた容器は、光や酸素を遮断することから、輸出にも適した特性を持ちます。容器のまま加熱できるので、殺菌処理が行いやすい点も特長です。

3.プラスチック代替素材
植物性の材料から作った容器も輸出用として利用しやすいといえます。利用する素材については各国の規制を確認する必要があり、輸出に耐え得る強度を備えることも求められます。例えば、サトウキビのしぼりカスを利用した「バガス」と竹を混ぜ合わせて容器をつくることもできます。

段ボールは代替手段として最適

段ボールは代替手段として非常に優れています。例えば、軽量であるため輸送時の重量制限に対応しやすく、コスト削減にもつながります。また輸出前の病害虫対策として必要な燻蒸が不要で、廃棄しやすい点から片道のみに利用するワンウェイ輸送に適していることも挙げられます。

さらに、段ボールは加工しやすい素材であるため、内容物や用途に応じて柔軟に形状を変更・工夫できる利点もあります。

3. 中国プラスチック規制に対応できる梱包材。日本トーカンパッケージの段ボールパレット「CFGパレット」をご紹介

中国におけるプラスチック規制の強化は、グローバルなサプライチェーンにおいて環境に優しい代替素材の需要を高めています。その中で、日本トーカンパッケージが提供する加工技術「CFG（Cushion Flexible Gluer）」による梱包材や段ボールパレットは、プラスチックが抱える課題を解決するための革新的なソリューションとして注目されています。

プラスチックパレットの課題である、輸出先で産業廃棄物処理になるなどのデメリットが、段ボール製パレットで解決

プラスチック製パレットは、輸出先で産業廃棄物として処理されることが多く、環境面でのデメリットが指摘されています。しかし、段ボール製のワンウェイパレットであるCFGパレットは、リサイクルシステムが確立されており、使用後も再利用が可能です。このリサイクルプロセスにより、資源の無駄を最小限に抑え、持続可能な社会の実現に貢献しています。

CFGの緩衝材としての機能（発泡スチロールの代替）も果たす

CFG（Cushion Flexible Gluer）は発泡スチロールの代替としての緩衝材機能も果たします。CFGは内容物に合った成形が可能であり、段ボールシートを積層状にすることで、耐久性や強度を向上させることができます。

垂直耐荷重2t以上、CFG技術で安定した強度を実現

段ボール製でありながら、CFG技術により安定した強度を誇ります。垂直耐荷重2トン以上を実現し、耐久性や強度を向上させることができるため、物流業界においても安心して利用できます。

設計技術で加工パレットの差し込み部分をカスタマイズ

設計技術により加工パレットの差し込み部分をカスタマイズできる点も大きな特徴です。段ボールの高い加工性を活かし、使用方法に合わせた差込口に成形することが可能です。これにより、単面型や四方差し、ハンドリフト対応など、使用用途に合わせたカスタマイズが可能であり、多様なニーズに応えることができます。

4. まとめ

本コラムでは、中国のプラスチック規制について詳しく解説してきました。
中国のプラスチック規制は、環境保護の観点からますます厳格化しています。また、プラスチック規制がアジアだけでなく、国際的に進んでいる背景から、日本の輸出業者は持続可能な輸出ビジネスのために適切な対応策を講じることが求められます。
プラスチック規制への対応のために、段ボールパレットや梱包材、緩衝材を段ボールに変換することも検討しましょう。

日本トーカンパッケージの段ボールパレット「CFGパレット」は、お客様のニーズに応じた柔軟なご対応が可能です。ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。