積載効率とは、輸送効率の指標の1つで、貨物を運ぶトラックの許容積載量に対して、実際に積載する貨物の割合のことをいいます。
物流業界では、現在トラック運送における生産性向上が急務となっています。長時間労働削減やCO2排出量削減といった課題がある中、いかに積載効率を高め、少ないトラック数やスタッフ数で多くの業務を、質を下げずに実施するかが求められています。
そこで今回は、積載効率の概要や、積載効率を改善することのメリット、積載効率の改善事例などをご紹介します。
目次
1.積載効率とは?
物流業界における積載効率とはどのような意味があるのでしょうか。
積載効率とは、貨物を運ぶトラックの許容積載量に対して、実際に積載する貨物の割合のことをいいます。計算に用いる数値は、貨物の重量や内容積、面積となります。
重量を基準とした場合、次の計算式で表します。
積載効率(%)=積載重量 ÷ 最大積載重量 × 100
例えば、最大積載重量10tトラックに対して、5tの貨物を積載して輸送した場合の積載効率は50%となります。
積載重量5t ÷ 最大積載重量10t × 100=50%
1-1.積載効率を改善するメリット
積載効率を改善することで、一度に運搬する貨物量が増えることにより、さまざまなメリットが生まれます。
まず一つに、輸送コストの削減が挙げられます。
また近年増加するEC物流など、多頻度少量の運送ニーズが拡大しているほか、人口減少の過疎地などにおける積載率の低下は、今後も長期的な課題と考えられる中、配送の効率化により生産性向上につながります。
また、運送トラック数を削減できれば、環境負荷低減といった副次的な効果も期待できます。
2.積載効率の改善方法
積載効率を改善するには、さまざまな方法があります。ここでは主な方法をご紹介します。
●トラックの位置情報取得などの運行管理
積載効率を改善するためには、まず現状把握が欠かせません。積載状況を把握するために、トラックの位置情報を、ドライブレコーダーのGPS機能を用いて確認するなどの運行管理を行うことで現状把握ができます。トラックの運行管理を実施することで、空き車両をうまく活用するなど効率化が期待できます。
●積載効率を均等にする
管理が行き届いていない状態では、トラックごとの積載効率にバラつきが出てしまいます。そのトラックごとのバラつきをなくし、積載効率を均等にするように工夫することで、全体の積載効率化につながります。
●無駄な荷室スペース削除の工夫をする
積載効率が悪い状態は、無駄な荷室スペースを持て余している状態です。そのスペースを削減する一つの方法として、荷積みする種類を細分化することが挙げられます。一般的には同じ種類のものを同じトラックに積載しますが、その種類を細分化することで、積むことができる種類の商品が増えるので、無駄なスペースを適切に埋めることができます。
●共同配送を実施する
共同配送とは、他社のトラック運送会社と共同で荷物を配送することをいいます。つまり余っているトラックの荷室スペースを、運送会社同士が互いに埋め合うことで、積載効率を上げる試みです。これにはパートナーとなる会社探しが重要となり、拠点や経路、商品などにある程度共通点がある必要があります。共同配送は、積載効率向上のほか、トラックの排気ガスによるCO2排出量削減にもつながります。
●段ボール箱のサイズをパレットサイズに合わせて変更する
商品を入れる段ボール箱のサイズを、トラックに荷積みするときに利用するパレットのサイズに最適化する方法もあります。段ボール箱の形状等を工夫して、中に入れる商品の数や、入れ方を少し変更するなどすれば、段ボール箱をパレットに効率的に納めることができ、積載効率を上げることができます。
3.積載効率の改善事例
実際に積載効率を改善した事例をご紹介します。
3-1.切り花の卸売業が「段ボール箱の標準化」により積載効率改善を実現
ある切り花の卸売業は、ドライバーの待機時間の短縮を目的に、バラ荷役からパレット荷役への転換を行いました。商品の花は種類が多く、花を入れる段ボール箱のサイズもバラバラだったので、パレットに荷積みすると積載効率が落ちることから、従来は段ボール箱をバラで積んでいました。しかし、積み込み時や荷卸し時の時間がかかってしまう課題がありました。そこで、パレット積みへと変更して時間短縮を目指しました。しかしパレットに積載するためには、パレットサイズに合わせて商品を入れる段ボール箱のサイズを統一する必要があります。そこで段ボール箱のサイズを標準化することにしました。
結果、積載効率が向上し、大型トラック一台につき、1日あたり1万円ほどの人件費を削減でき、作業時間は2時間弱削減できました。
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3-2.家庭紙メーカー「パレット輸送化」による積載効率改善を実現
あるティッシュやトイレットペーパーなどの家庭紙を取り扱うメーカーが、家庭紙業界のメーカーに呼びかけ、業界で統一した専用サイズのパレットを開発しました。新型パレットに採用したのは、家庭紙製品のケースサイズに適合し、トラックへの積載に最適なものです。この施策の結果、積載効率の低下を抑制することに成功しました。
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4.まとめ
積載効率を改善することは、物流業界全般にとって重要なことといえます。また積載効率向上と共にCO2排出量削減や業務効率化も実現する、有益な試みです。
日本トーカンパッケージでは、積載効率を上げるために最適な段ボールサイズをご提案できます。
また当社では「トーカン アシスト Box/セミオート」という自動製函システムをご提供しています。これは段ボールのブランクシートを機上へセットすると、箱組みが自動で行えるシステムです。積載効率向上を目指し、段ボール箱サイズを変更したいといった場合にも、同システムでは、取り外し可能なユニットを交換することで、約10分で箱サイズの変更が容易に行えます。
段ボールの標準化による積載効率改善の際の一助となります。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。