SDGsに貢献するFSC認証とは?

SDGs目標への達成意識や取り組みが国内外で高まる中、国際的な森林認証制度「FSC認証」の注目も高まっています。FSC認証木材を使用した製品が様々な業種において採用が拡がっているなか、梱包資材にFSC認証を用いた段ボールなどの包装資材を用いることで、SGDs貢献につながります。
そこで今回は、FSC認証の概要とSDGsとの関わりについてご紹介します。

1.FSC認証とは?

「FSC認証」は、国際的な森林認証制度です。

FSC認証された証であるFSCマークが付けられた製品は、きちんと管理された森林から作られた木材を用いた製品であることを示します。消費者は、FSCマークを目印に製品を選ぶことで、森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を選んで購入することができます。

FSC認証製品は、森林から最終製品になるまでの「生産、加工、流通」に関わるすべての組織が認証を受ける必要があります。FSC認証の審査・発行は、ASIという認定機関から認定を受けた独立した第三者の認証機関が行います。

FSC認証には10の原則と70の基準が定められており、森を守ることはもちろんのこと、合法性、労働者や先住民族の権利、地域社会との関係、環境、文化など広い視野で森林の在り方を考えたものになっています。

2.FSC認証が創設された背景

FSC認証制度創設の背景には、森林破壊による野生生物や森とともに生きる人々、気候変動などへの影響といった森林を取り巻く問題がありました。

FSC認証制度を運用しているFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)が設立されたのは1994年のこと。そのきっかけは1980年代のできごとにありました。当時、欧米では熱帯産の木材の環境破壊や人権侵害の課題があり、熱帯材の不買運動が起こっていたのです。しかし中には適切に森林管理を行っている生産者の木材もありました。やがて木材が売れなくなった林業者が森林を伐採し、農地に転換してしまうなどしたため、森林破壊を止めるまで至りませんでした。そこで、適切に管理された森林からの木材を区別して購入できる認証制度の必要性が検討され、26カ国の環境NGO、林業者、林産物取引企業、先住民団体などが中心となってFSCが設立され、FSC認証制度が創設されました。

3.SDGsの達成に貢献するFSC

FSCはSDGsの達成に貢献します。

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」を略したもので、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であり、17のゴール・169のターゲットから構成されています。世界的にSDGs達成のために取り組まれており、日本企業もSDGs経営など事業と目標達成を連携させる活動なども増えています。

●SDGsの目標との主な関係
FSCは、SDGsの目標17のうち、14個の目標に貢献しています。目標15の「陸の豊かさも守ろう」のほか、貧困、飢餓、健康・福祉、教育、男女平等、安全な水、クリーンなエネルギー、労働環境、責任ある生産活動と消費活動、気候変動、海の豊かさ、平和と公平、パートナーシップに関する目標についても達成に貢献していると公表しています。

そもそもSDGsの進捗状況確認の指標の一つとして「自主的な森林認証を取得している森林の面積増加」が掲げられており、SDGsは森林認証の有効性を認めています。

4.日本トーカンパッケージの取り組みと環境宣言

日本トーカンパッケージは、東罐興業グループの一員として独自の「環境方針」に基づき環境保全活動に取り組んでいます。

包装容器を通じて生活文化の向上を図るとともに持続可能な地球環境を保全するためバリューチェーンにおける環境課題の継続的改善に取り組み社会に貢献するものです。

そして経営理念の一つに「包装容器事業をコアとし、常に社会のニーズと自然環境に調和した、製品とシステムを創造し生活文化の向上に貢献する。」ことを掲げ、人類が自然と調和して生きられる未来を築く活動に取り組んでいます。

日本トーカンパッケージは、森林に由来する紙を原料とした、段ボール、紙器製品を販売する企業として、FSC/CoC認証を全16拠点で2017年3月14日に取得し、更新を続けています。

5.まとめ

国内外でSDGsへの目標達成への意識と活動が高まるなか、木材や紙の利用の際、FSC認証のある製品を選ぶことでSDGs貢献につながることは、ぜひ意識しておきたいものです。
当社のFSC認証された段ボール製品等を採用することを選択肢の一つにご検討ください。