段ボールの原料とは?
リサイクルの優等生と呼ばれる理由を徹底解説!

段ボールの原料とは?リサイクルの優等生と呼ばれる理由を徹底解説!

普段、自社の商品を梱包するのに欠かせない段ボール。大切な商品を守る陰の立役者ですが、そもそもどのような原料で作られているのかご存知ですか?
そこで今回は、段ボールの主な原材料の解説と共に、段ボールの製造工程、段ボールの選び方、さらに段ボールが「リサイクルの優等生」と呼ばれる理由を解説します。

段ボールの主な原材料とは?

段ボールの主な原材料とは?

段ボールは、複数の原材料から成り立っています。詳しく見ていきましょう。

主な原材料

段ボールの主な原材料は、段ボール原紙と糊(のり)です。段ボールは複数の板状の紙を糊で貼り合わせる形で構成されており、シンプルながら強度が高められています。

次に、段ボール原紙と糊それぞれの原料を見ていきましょう。

段ボール原紙の原料

段ボール原紙の原料は紙ですが、一般的に古紙とパルプが使用されています。

・古紙:古紙とは一度使われた紙のことです。日本には古紙回収の仕組みが整っており、適切にリサイクルされています。

一度使われた紙は回収され、製紙工場で機械にかけられて1本1本の繊維になります。その後、シート状に成形され、紙として再生します。

・パルプ:パルプとは、木材などから化学的または機械的に抽出した繊維のことです。適切に管理された森林の資源などが使われています。木材から新しく作られたパルプは、バージンパルプとも呼ばれます。

段ボール原紙は、主に古紙とパルプを用いて作られます。

段ボール原紙には、ライナ用原紙と中芯用原紙があります。

段ボール箱を形成する段ボールシートは、2枚のライナ用原紙で、中芯と呼ばれる波状の原紙を挟んだ三層構造が基本です。一般的にライナ用原紙は、古紙とパルプが利用されています。

また中芯用原紙はコシを強くするために品質を調整した原料(主に古紙)が使用されることが多いです。

糊の原料

糊は、ライナと中芯を貼り合わせるのに使用します。糊の原料を見ていきましょう。

・コーンスターチ:コーンスターチとは、とうもろこしのでんぷんです。世界的に収穫量が多いことから安価に手に入りやすく、供給も安定化していることから、現在の段ボールはほとんどコーンスターチの糊が使用されています。

かつては、でんぷんではなく、珪酸ソーダという材料が使われていましたが、段ボールにアルカリが遊離してライナ表面に浮き出す現象が確認され、段ボールの見た目に影響を及ぼすことがわかりました。そこで珪酸ソーダから、でんぷんに切り替わるようになりました。

その後、一時期は小麦でんぷんも使用されていましたが、小麦粉などから抽出されるため、小麦の生産量に左右され安定供給が難しくなる問題に直面しました。その結果、コーンスターチが普及しました。

段ボールの製造工程

段ボールの製造工程

続いて、段ボールの製造工程を詳しく見ていきましょう。

1. 段ボール原紙を製造する

製紙工場で段ボール原紙を製造します。日本の段ボール原紙は古紙利用率90%以上と非常に高く、多くの場合、古紙を主原料とします。古紙を原料とする場合は、まず古紙を溶解するところから始めます。

はじめにパルパーと呼ばれる巨大なミキサーのような機械で古紙を水で溶解します。異物があれば取り除きます。その後、平らに成形するために広げ、脱水し、乾燥工程に移ります。巨大なロールに巻き取られ、適切な幅にカットされて段ボール原紙となります。

2.3枚の段ボール原紙を糊で貼り合わせる

製造された段ボール原紙は段ボール製造工場に運ばれ、3枚の段ボール原紙を糊で貼り合わせます。中芯を波型に成形して糊をつけて裏ライナと貼り合わせたら、段ボールの片面ができあがります。そして表ライナを貼り付け、段ボールシートが完成します。

3. 段ボールシートを加工して製箱する

段ボールシートはカットした後、印刷、溝切り、抜き型による手掛け穴開けなど、必要に応じて加工します。その後、用途に応じて段ボールシートを段ボール箱として組み立てられるよう、製箱します。完成した段ボール箱は、数枚ずつ束ねられて出荷されます。

段ボールの選び方

段ボールの選び方

段ボールと一口に言っても、原料の割合や厚み、構造、形状などにより複数の種類に分かれます。段ボールを商品梱包に使用することの多い事業者は、その都度、最適な段ボールを選ぶ必要があるでしょう。そこで段ボールの選定基準をご紹介します。

ライナの古紙含有率

表ライナと裏ライナの2枚の段ボール原紙は、古紙の含有率によって強度などが変わります。一般的に、バージンパルプの含有量が多いほど段ボールの強度が上がります。

主に使われるライナの種類として次の3つが挙げられます。
そして古紙の含有率によって呼び名が異なります。

古紙含有率90%以上のライナを「ジュートライナ」、パルプを使用したライナが「クラフトライナ」です。以前はクラフトライナといえばパルプ100%でしたが、近年は古紙も含んでいます。

・Dライナ:ジュートライナ(古紙含有率100%)
・Cライナ:ジュートライナ(古紙含有率90%以上)
・Kライナ:クラフトライナ (Cライナより強度が高いライナ。一般にCライナよりバージンパルプの配合率が高いか、高品質な古紙が使われています)

より強度を求める場合はKライナを選ぶ必要があります。CライナやDライナは古紙含有率が高く、Kライナに比べると強度に劣るため、軽量物の梱包に適しています。

フルートの種類

フルートとは、中芯の「波状の段」のことを指します。この段の高さ(厚み)や、30cmあたりの段の数によって厚みや特性が異なってきます。Aフルート、Bフルート、Cフルート・・・Gフルートとアルファベットが割り振られており、Aフルートが最も段数が少なく厚みが5mmと最も厚い仕様です。Gフルートは段数が多く、厚みは0.9mmと極薄です。このうち、Aフルートは最も厚みがありクッション性に優れ、日本では広く使われています。

構造の違いによる分類

中芯を2層にして強度を高めた段ボールもあり、「W(ダブル)フルート」または「複両面段ボール」と呼びます。これに対し、中芯が1層の一般的な段ボールは「シングルフルート」または「両面段ボール」と呼ばれます。例えば、厚み約5mmのAフルートと、厚み約3mmのBフルートを重ねたWフルート(ABフルートと呼ばれることが多い)は、厚みが約8mmになり、強度が格段に増します。

形状

形状とは、段ボール箱として組み立てたときの形状を意味します。形状の種類は、次の3つが一般的です。

・A式ケース:最も一般的な、いわゆる「みかん箱」タイプです。上下の面が観音開きになっており、包装用テープで留めて使います。

・B式ケース:上面と下面が差し込み式のフタのようになっているタイプです。A式に比べると強度に劣るため、段ボール箱の中に入れて使用する内箱として利用されることが多いです。

・C式ケース:本体と蓋の二つのパーツを組み合わせた重箱状のケースです。ポスターなど大判で薄い書類などに適しています。

形状は、用途や求められる強度に応じて選ぶことがポイントになります。

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段ボールはリサイクルの優等生!原料から改めて知る段ボールの価値

段ボールはリサイクルの優等生!原料から改めて知る段ボールの価値

段ボールは、「リサイクルの優等生」と呼ばれており、環境に優しい側面を持っています。率先して段ボールを利用することは環境に配慮した経営につながります。

段ボールはほぼ100%リサイクル可能

段ボールは、ほぼ100%リサイクル可能な紙資源です。日本における段ボールの回収率は95%以上、段ボール原紙の古紙利用率も90%以上と、非常に高い水準でリサイクルシステムが確立されています。このため、家庭や事業者からの段ボール回収率も高いことから、段ボールは非常に環境に優しい梱包材といえます。

段ボールの生産時のCO2排出量

一方、段ボール自体の生産時には、CO2を排出することは事実です。しかし、古紙利用率が非常に高いことなどから、他の素材(例えばプラスチック製の梱包材など)や、バージンパルプから主に作られる他の紙類と比較した場合、ライフサイクル全体でのCO2排出量は少ない傾向にあります。

原料から知る段ボールの価値

今回のコラムでは、段ボールの原料を中心にご紹介しましたが、このような原料の詳細や製造工程、環境負荷などを知ることにより、環境配慮への意識が高まると思われます。今、企業が社会やステークホルダーから求められるESG経営やSDGs(持続可能な開発目標)への対応の必要性が増す中、段ボールの価値はより高くなるでしょう。

まとめ

段ボールの原材料や製造方法、選び方、環境に優しい特性などをご紹介しました。普段、何気なく利用している段ボールも、その原材料や作り方を知ることで、より工夫して使いたくなるものです。

現状、段ボールサイズや形状をもっと最適化したいとお考えの場合や、プラスチックなどの環境面で懸念のある材料から作られた梱包材の代替品を探している場合は、段ボールのエキスパートである日本トーカンパッケージにご相談ください。

段ボールの最適化やカスタマイズの他、製函機と優れた段ボール製品がセットになったソリューションのご提供など、段ボールにまつわるさまざまなご対応が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。