物流業務の改善のポイントとは

物流業界では、現在、業務改善が求められています。その背景には人手不足や働き方改革法の施行、コロナ禍によるEC物流量の増加など、さまざまな課題があります。
では、その物流業務の改善は具体的にどのように行えばいいのでしょうか。今回は物流業務の改善のポイントや物流業務の改善例をご紹介します。

1.物流業務の改善の必要性

現代、物流業界では物流業務改善の必要性が高まってきています。

その背景には、人手不足によって運び手や倉庫内作業員、発送業務スタッフが限られているなかで業務を行う必要があることや、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が2024年に差し迫っていること、そして新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けてECが活発になる中で生じている小口配送物の増加等があります。

少ない人員により、これまでのやり方ではもはや業務が回らなくなっているような現場では、特に業務の見直しと改善が求められます。

2.物流業務の改善のポイント

物流業務には、受注から梱包、仕分け、流通加工、ピッキング、入出庫・商品管理、輸送・配送という一連の工程があります。その中で実施できる、物流業務の改善のポイントをご紹介します。

●現場の見直しによりムリ・ムダ・ムラを取り除く
物流工程のうち、特に梱包や仕分け、ピッキングの業務においてはムリ、ムダ、ムラを取り除くことが重要です。ムリとは可能な能力以上に負荷がかかっている状態、ムダとは能力に対して負荷が下回っている状態、ムラとはムリとムダの両方が混在している状態です。
各業務を見直し、問題を見つけて改善を行います。

●ミスの防止・作業手順書の作成
ヒューマンエラーが起きやすい環境や作業手順を見直すことでも業務改善が可能です。例えば、手作業で行っている工程を、機械化することも一つのミス防止の方法です。梱包する箱の組み立てを製函機で行ったり、ピッキングをハンディターミナルで自動化したりする方法があります。
また、現場の作業手順や方法を記載した作業手順書の作成も、標準化や統一化により業務効率化につながります。

●製函機や効率的な梱包材の活用による自動化・省力化
梱包箱の組み立て作業に負荷がかかっている場合、それを自動化できる製函機や、簡単にワンタッチで組み立てられる梱包材を利用することで梱包作業の効率化と省力化を行うことができます。

●物流システムの導入
物流システムとは、一連の物流工程を管理するシステムを指します。一元管理することで、効率的に在庫管理や入出庫管理、配送管理が可能になり、物流業務の改善につながります。

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3.物流業務の改善例

ここで、物流業務の改善例をご紹介します。

●ピッキング作業の自動化による業務改善
ピッキング作業において、ハンディターミナルとシステムを連携させて自動化による業務改善を行った事例です。ピッキングリストをスキャンするだけで商品のある棚が表示されるので、ムダな移動が減少しました。また、商品とバーコードを照合することで、商品の取り違いも防ぐことが可能になりました。
新人スタッフでも作業品質を下げることなく実施でき、省力化と業務効率化を実現しました。

●ディスプレイ・陳列作業の省力化による業務改善
小売業では店頭陳列の作業に手間と時間がかかりがちであるため、業務改善の余地があります。実際に当社の「トーカン オープン パッケージ」を導入することで、ディスプレイ・陳列作業の省力化による業務改善を実現した事例があります。
これは即開封・即陳列ができるシェルフレディパッケージで、開封時に波型のジッパーを使用し、カットテープやライナカットを使用せず容易に開封ができるという特徴があります。そのため、店頭での大量陳列も容易で、作業が効率化します。トレー部の断面がきれいであることから、ディスプレイ効果も上がります。

●梱包作業の自動化による業務改善
箱を機械で組み立てる製函機を使用して業務改善を行うことも可能です。
日本トーカンパッケージの「EC スリムカートン」という製函機を用いたEC向け総合システムを導入し、梱包作業の自動化を行うことができます。ポストインタイプの高さの低い発送箱を製函する機器によって、ECパッケージ組立業務の自動化を行い、省力化と業務効率化を実現します。

4.まとめ

物流業務改善は、多くの現場で求められている重要な取り組みです。近年は機械による自動化が進んでおり、導入による効果も多くの現場で出ています。
梱包する段ボール箱などを自動で組み立て、陳列しやすい段ボール箱製品を利用することによっても、業務効率化は可能です。当社の製品・サービスにご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。