ワンウェイパレットとは?段ボールパレットが選ばれる理由も解説!

ワンウェイパレットは、主に輸出を目的に使用されるパレットです。どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。輸出には木製やスチール製、段ボール製のパレットが広く使われていますが、世界的な流れから、ワンウェイパレットには段ボールパレットが選ばれるようになってきました。その背景も合わせてご紹介します。

1.ワンウェイパレットとは?

ワンウェイパレットとはどのようなパレットなのでしょうか。

パレットとは貨物を置く荷役台のことです。

ワンウェイパレットは、一言で言えば、運んだ後、回収しないパレットをいいます。

ワンウェイとは「One-Way(片道の)」を意味しており、発地から着地までの片道のみで、回収しない前提で利用されるパレットのことをワンウェイパレットと呼んでいます。

片道のみに使うことの大きなメリットとして、回収コストや保管・運用コスト、手間がかからないという点があります。そのため、主に輸出を目的に使用されています。

【参考】パレットとは?
パレットとは、梱包する商品を入れた段ボール箱などを置く台のことです。パレットは、荷役、輸送、保管のすべての工程で使用されています。

パレットは一般的にフォークリフトと呼ばれる機械で持ち上げて移動させますが、そのために商品を載せる面の両サイドには差込口があり、移動がしやすいのが特徴です。また移動に耐え得るように、材質や構造が強固に作られています。

パレットには一度に複数の貨物を載せて運ぶことができるメリットがあります。また保管する際にも、パレットに積んで保管することでコンパクトにまとまり、省スペース化につながります。

2.ワンウェイパレットのメリット

ワンウェイパレットには、次のようなメリットがあります。

●使用後は廃棄するので回収コストがかからない
ワンウェイパレットは、基本的に商品を届けた後は回収せずに廃棄されるのが前提となっています。輸出貨物によく使われるとお伝えしましたが、使用後に輸出先の国でパレットを回収して輸出元の国へ送り返すとなれば、大きな手間とコストがかかります。

例えば日本からアメリカにパレットに載せた貨物を届けた後に、空のパレットをもう一度日本に送り返すとなれば運賃などがかかってきます。こうしたコスト面、管理面の非効率さから、輸出時にはワンウェイパレットが多く用いられています。

●パレットの保管・管理コストがかからない
ワンウェイパレットは届けた後、パレットを管理する必要はありません。どこかの倉庫などに保管して管理し続けるとなれば、コストがかかりますが、ワンウェイパレットは保管や管理が必要ないため、コストを削減できます。

●管理業務そのものの必要がない
ワンウェイパレットは先述の通り、保管や管理の必要がないため、管理業務の必要もありません。手軽にパレット輸送ができます。

3.ワンウェイパレットのデメリット



一方で、ワンウェイパレットは次のようなデメリットがあります。

●パレットとしての耐久性が低い
ワンウェイパレットは、初めから回収して再利用せず、片道だけの使用のみを考えて製造されるため、必要になったタイミングでその都度、製造されるのが一般的です。そのため、耐久性はそれほど高くなく、必要最低限の作りになっています。強度に関してはよく検討しなければなりません。ワンウェイパレットに対してかけられる予算と、耐久性を最低限保つために必要なコストを比べながら設計の段階から検討しましょう。

●製造コスト・処分コストがその都度発生する
ワンウェイパレットは使い捨てであるため、使い回すことがありません。そのため必要に応じて、その都度、製造を発注することになります。またコストもその都度発生することになります。使用後は、処分コストがかかることは覚えておきましょう。

4.ワンウェイパレットに段ボールパレットが使用される理由



ワンウェイパレットは、輸出用の梱包用途によく利用されますが、一般的な輸出用の梱包パレットには木材やスチール、段ボールなどがよく利用されています。その中でも近年、ワンウェイパレットには段ボールパレットが選択されるようになってきています。その背景について、次のことが考えられます。

●木製パレットは熱処理や燻蒸処理が必要
輸出用パレットは、従来、木製パレットが多く利用されてきました。頑丈なので輸送の工程で破損を防ぐことができたり、防水性能が高かったりすることから最適な素材と考えられてきました。

しかし近年は木製の梱包材を使用する場合、規制を設ける国が増えてきたのです。木製パレットを輸出する場合には、IPPC(国際植物防疫条約)に準拠する必要があります。IPPCとは、植物に有害な病害虫が侵入・まん延することを防止するために、加盟国が講じる植物検疫措置の調和を図ることを目的とした条約です。

木材梱包材についても規制があるため、輸出の際には木材梱包材に病害虫が付着することで、輸入国に病害をもたらすことを予防しなければなりません。規定以上の木材梱包材を輸出する際には、事前に熱処理や燻蒸(くんじょう)処理が必要です。燻蒸処理とは、煙でいぶすことで殺菌する方法です。

このような熱処理や燻蒸処理にはコストや手間がかかることが、木製パレットの使用そのものが減ってきている理由といわれています。それに替わるものとして、熱処理などが不要な段ボールパレットが注目されています。

●段ボールパレット代替でコストが削減できる
段ボールパレットは、木製パレットと比べて製造コストを抑えることができるため、木製パレットから段ボールパレットに代替することにより、コスト削減につながります。

●リサイクル性が高いため、環境へ負荷が少ない
段ボールは、リサイクル性の高い素材です。さらに水だけで繊維状に戻るため、リサイクル工程の環境負荷も軽減できるというメリットもあります。近年、企業は環境配慮の取り組みが求められており、段ボールを積極的に採用することで、環境配慮への取り組みにもなります。

【参考】段ボールパレットのその他のメリット
段ボールパレットには、その特性から段ボールパレットそのもののメリットもあります。主なものを見ていきましょう。

●軽量により物流コスト軽減につながる
段ボールパレットは、木製パレットや金属製パレットと比べて軽量であるという優位性があります。そのため、他パレットと比較して重量を抑えることができるので、重量の点からも物流コストの削減が期待できます。

●さまざまな形状に対応可能
段ボールは形状を柔軟に変更できるため、さまざまな形状の梱包に対応することができます。例えば、梱包のむずかしいとされる長尺の貨物の梱包にも対応可能です。


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5.まとめ

ワンウェイパレットは、木製パレットから段ボールパレットへと転換が図られています。その背景には、段ボールパレットの多数のメリットがあります。

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