環境に優しいと注目される
段ボールパレットの強度とは?
メリットやリサイクルについても解説!

環境に優しいと注目される段ボールパレットの強度とは?メリットやリサイクルについても解説!

昨今、企業活動全般に環境対応が求められる中、物流分野におけるパレット輸送においても、リサイクル性が高く環境に優しい段ボール資材への転換が検討されています。
今回は、段ボールパレットの強度をはじめとした特性や、利用のメリット、処分方法など、段ボールパレット活用に向けたヒントをご紹介します。

1.段ボールパレットが注目されている理由

段ボールパレットが注目されている理由

近年、物流パレットの中でも段ボールパレットが注目されています。段ボールパレットの特徴と注目されている理由をご紹介します。

●段ボールパレットとは
段ボールパレットとは、段ボール素材で作られる物流パレットのことを指します。

物流用パレットは、商品が入った段ボール箱などの荷物の保管や運搬のために使用されている台座で、荷物を置いた後、フォークリフトやハンドリフトを使ってパレット単位で運ぶことができます。

トラックの積み下ろしや倉庫内移動をする際、荷物を一個一個運ぶのと比べ、物流パレットに載せることで複数個を一度に運べることにより、効率化できるメリットがあります。

段ボールパレットは段ボールでできているため軽量ですが、工夫によって強度を高められるため、重量物も安心して載せることができます。

●段ボールパレットが注目されている理由
物流パレットは従来、木製やプラスチック製が多く使われてきましたが、近年は段ボール製に注目が集まっています。

段ボールパレットが注目されている理由として、ウッドショックが世界的に起きていることによる木材供給への不安から調達面で懸念が生じている点が挙げられます。

また近年は日本で輸出需要が増加していることにより、輸出先で廃棄することを前提としたワンウェイパレットの利用が進んでいます。

ワンウェイパレットをはじめ、輸出用としてよく使われる木製パレットは、廃棄の際に害虫が発生する恐れがあり熱処理や燻蒸処理が必要となることが多いことから、コストや利便性の面で、比較的廃棄が容易な段ボールパレットが注目されています。

また国際的な「脱プラスチック」意識の高まりから、プラスチック製パレットは敬遠される傾向があることも、段ボールパレットが選択肢の候補に挙がる理由となっています。

【関連ページ】
>「今注目を集める段ボールパレットとは?SDGsにも貢献

2.段ボールパレットの強度などの特性

段ボールパレットの強度などの特性

段ボールパレットは、次のような機能的な特性があります。それらがどのように物流業界に影響を与えるかを、現場の活用例も合わせてご紹介します。

●強度・耐荷重
段ボールパレットは、重量が大きいものにも耐えられる特殊な構造や材質構成によって強度を高めることが可能です。

【製品事例】

日本トーカンパッケージの段ボールパレット「CFGパレット」は垂直耐荷重2t以上であり、強度面から安心して利用できます。

CFG(Cushion Flexible Gluer)という独自に開発した自動成形機により、段ボールシートを積層状にする作業の自動化を図り、安定した品質と供給をご提供しています。桁を組み上げることで、桁同士が支えあい、強度が安定する構造となっています。

【関連ページ】
>「段ボールパレットサービスページ

●軽量
段ボールパレットの重さは一般的に約6kg程度と他の素材のパレットと比較すると軽量ですのでパレットの移動や積み替え時の取り扱いがしやすいです。

また重量制限などがある輸送方式や、重量によって運賃が変わるケースで有利となります。

●耐水性は他パレットと比べると落ちる
段ボールパレットは紙製であることから、プラスチック・木製パレットと比べて水には弱いところがあります。

3.段ボールパレットのメリット

段ボールパレットのメリット

段ボールパレットには、次のようなメリットがあります。

●環境への影響が少ない
段ボールは日本で使用済みのものを回収し、新しい段ボールに再生・再使用するリサイクルシステムが確立されています。廃棄物を減らすことができるため、環境への影響が少ないのが特徴です。

●低コストで利用できる
段ボールは軽量であるため、重量制の料金の場合にコストを抑えられます。またリサイクルできるので廃棄コストもかかりません。紙素材であることから他素材のパレットよりも比較的容易にコストを抑えて加工できるのもメリットです。

●設計の柔軟性が高い
柔軟に形状や構造を設計できるのもメリットです。利用目的に応じて自由に設計変更することができるので荷積みにおける効率性やトラックへの積載効率の向上にもつながります。

●利便性に優れる
段ボールは、プラスチック製や木製パレットと比べて軽量かつ強度も高められることから、利便性が高い点も特徴です。取り扱いがしやすいことは大きいメリットといえます。

●熱処理・燻製処理が不要でワンウェイパレット向き
前述の通り、段ボールはワンウェイパレットに向いていることもメリットです。

輸入貨物の検疫規制によって、木製パレットは国際基準に則り、熱処理・燻蒸処理が必要なケースがあります。そのため処理コストや処理の手間がかかる一方で、段ボールは紙製であることから熱処理・燻蒸処理は不要で、処理コストも処理の手間も削減できます。

【関連ページ】
>「ワンウェイパレットとは?段ボールパレットが選ばれる理由も解説!

●安全性が高い
段ボールパレットは、木製のようにささくれやトゲが出ないことから、作業中の安全性が高いのも特徴です。

4.段ボールパレットの処分・リサイクル方法

段ボールパレットの処分・リサイクル方法

段ボールパレットの処分方法やその重要性についてご紹介します。

●段ボールパレットの処分方法
段ボールパレットを処分する際には廃棄物として取り扱うのではなく、資源ごみの古紙として回収に回すことになります。古紙の資源回収を取り扱っている事業者に回収してもらうのが一般的です。これにより、リサイクルに貢献できます。

●リサイクル性が高いことの重要性
使用している物流パレットのリサイクル性が高いことは、企業にとって重要なことです。

まず、古紙として回収をしてもらうことができるため、産業廃棄物としての廃棄コストを軽減できます。プラスチック製パレットと木製パレットは産業廃棄物扱いになり、コストがかかります。その点と比較しても段ボールパレットのリサイクル性にはメリットがあります。

またリサイクルできるということは、環境貢献ができることに加えて、SDGsの目標達成にもつながります。

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれる、国際社会共通の目標です。2015年から2030年までに、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指しており、日本国内でも国はもちろん、多くの企業も目標達成のための取り組みを進めています。

持続可能な環境づくりの一環として、紙資材のリサイクルによる森林資源の有効利用は大きなテーマとなっており、段ボールパレットを率先して利用することはSDGs目標達成に寄与すると考えられます。

5.まとめ

物流業界に関わる企業が段ボールパレットを導入する際には、その機能やメリットを理解した上で選択することをおすすめします。

段ボールパレットは、設計によって強度を高めることができるほか、リサイクル性も高いこともメリットです。

日本トーカンパッケージの段ボールパレット「CFGパレット」は、お客様のニーズに応じた柔軟なご対応が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。