物流の配送効率化を実現するには?
〜配送ルート選定や積載効率向上

現在、物流業界は長時間労働や人手不足、EC市場の拡大などをはじめとしたさまざまな課題に直面しています。早急に課題解決が求められており、すでに何らかの課題解決策に取り組まれている方も多いのではないでしょうか。

今回は、物流業界が直面する多数の課題の解決策の一つである「配送効率化」についてご紹介します。配送効率化のよくある課題と解決策をぜひ参考にされてください。

1.物流業界における課題とは?

物流業界においては、現在、次のような課題があります。

●長時間労働と人材不足
近年の物流業界では、荷物を運ぶトラックドライバーや倉庫、物流センターの物流スタッフの拘束時間が長引く傾向にあり、長時間労働の問題が大きいものとなっています。また少子高齢化による労働力不足の課題は、物流業界でも強く影響が出ています。人材流出の防止や新規人材確保のため、特に労働環境の面で見直しが求められています。

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●巣ごもり需要の影響によるEC市場の拡大
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、巣ごもり需要により、消費者は自宅からECサイトで買い物する傾向が高まり、それに伴って、EC市場は大幅に拡大しました。

宅配便の取扱個数が大幅に増えたことから、物流業務に従事する人々の負担が大きくなっています。

これらの課題を受け、トラック輸送の生産性向上や物流効率化によって、トラックドライバーの負担を減らす「ホワイト物流」を、さらに推進する必要が出てきました。また、2024年4月1日以降は、働き方改革関連法においてトラックドライバーの時間外労働に年間960時間の上限が設けられることにより、残業時間が制限されることで発生する「物流2024年問題」への対策も急務となりました。

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2.課題解決策「配送効率化」は有効な一方で課題も

これらの課題を解決するための一つの方法として、荷物の配送をできるだけムダをなくして効率化する「配送効率化」が有効です。実際に取り組んでいる方も多いでしょう。

その配送効率化を図るのに欠かせないのが、配送ルートの洗い出しや選定です。しかし、配送ルートの洗い出し自体に時間や労力がかかり、負担を感じることが多いのではないでしょうか。

最適な配送ルートを決めるには、次のような複数の条件を考慮して洗い出さなければなりません。

・納品先の数とトラックの台数
・荷下ろしにかかる時間
・停車位置はどこか
・どんなドライバーか(スキル、勤務時間や休憩時間、年齢、体力の差など)
・どんな車両か(積載容量、荷量、荷姿など)
・道路・交通の状況(道路道幅、右折回数、交通規制や混雑状況など)
・都会か地方かなど地理的な制約
・個人宅配か法人配達か
・時間指定があるか
・不在による再配達の可能性はあるか
・配送ルートや配送先エリアのイベントなどにより交通整備や車両通行時間の規制などはあるか
・各ドライバーの負担は均等か

これらのさまざまな条件を考慮して最適ルートを洗い出すのには、経験と慣れがなければ、長い時間を要するものです。

配送ルートの選択肢が膨大になれば、短時間でもルート選択はむずかしいものです。特に時間の制約のある物流現場において、時間をかける余裕はありません。

さらに、配送中の天候や交通状況による急な制約や、顧客からの要望などでルート変更に対応する柔軟性も求められます

3.配送効率化を実現するための方法〜配送効率化の課題への対策

最適な配送ルートの選定のためには、先述のような配送ルート選定時の煩雑さの課題を解決することが先決です。課題解決の第一歩は、配送ルートをシステムで管理することといえるでしょう。

●配送ルートをシステムで管理するとは?
現在は、配送ルートを自動作成して管理できるシステムが多く存在します。

従来は、地図を見ながら配送ルートを手作業で作成する必要がありましたが、それではルート作成に手間と時間がかかってしまいます。配送ルートをシステムで作成・管理することで、効率的なルートを容易に設定することが可能です。
システムによっては複数のルートを提案してくれるため、より効率的な配送ルートを選択できます。属人化や人為的ミスも軽減できます。

運行中に配送ルートの変更が余儀なくされる場合や、配送に遅延やトラブルが生じた場合も、システムを用いれば効率的に管理ができるようになるメリットも生まれます。

4.配送効率化を実現するための方法〜その他の対策

配送効率化を実現するための方法としては、次の方法も考えられます。

●発注ロット拡大・発注頻度削減
発注1回ごとの数量である「発注ロット」を大きくし、発注頻度を少なくすることが、配送効率を高めるのに有効です。そのためには、これまでバラつきのあった発注日を集約したり、少量発注を見直し、最低発注ロットを引き上げることなどが有効です。

●倉庫内のレイアウト見直しにより倉庫業務を効率化する
倉庫内のレイアウトを変更することで、業務の効率化を促進する方法もあります。非効率な倉庫内のレイアウトでは、ムダな時間と労力を浪費してしまいます。そのため、荷物を効率よく取り出せる工夫をしたり、積み込みがスムーズに行えるルートを作ったりして倉庫内のレイアウトを変更することが有効と考えられます。

●積載効率を改善する
トラックの荷台には、できるだけ多くの荷物を効率よく積み、「積載効率」を高めることが重要です。積載効率とは、トラックの許容積載量に対して、実際に積載する荷物の割合を指します。積載効率は数値が高いほど輸送効率が良いことを意味します。積載効率を高めるには次の方法が考えられます。

・カテゴリー区分の集約
配送・納入先が店舗などの場合、納品カテゴリー別に区分を設定し、商品をできるだけ集約することで積載効率の向上につながります。

・段ボール箱の標準化を行う
荷物や商品を梱包する段ボール箱のサイズを最適なものに統一する標準化は、有効な手段です。より多くの荷物をトラックに積載できるようになると考えられます。段ボール箱の中に余分な隙間を作らないことがポイントです。

・パレット輸送に切り替える
段ボール箱や紙袋などをそのままトラックに荷積みするのではなく、標準化されたパレットに入れた上でトラックに載せることで、より積載効率が高まります。

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5.まとめ

物流業界の課題解決に取り組まれている方は、ぜひ今回ご紹介した、配送効率化の解決策を参考にされてください。

また積載効率の向上や段ボール箱の標準化、パレット輸送化をご検討されている方は、ぜひトーカンパッケージにご相談ください。

当社では、複数の資材と製函機のセットをソリューションとしてご提供する包装仕様・包装設備サービス「トーカンエコパシリーズ」をご提供しております。

例えば、梱包する段ボール箱のサイズを最適化することにより、積載効率の向上が可能です。具体的には、コンパクトな仕切りを用いたり、効率的な梱包設計を行ったりすることが挙げられます。段ボール使用量を削減することで、より多くの段ボール箱をトラックへ積載できるようになります。

また、段ボール箱自体を余裕寸法のないデザインにすることで資材の使用量を減らし、コスト削減につなげる取り組みも可能です。

貴社の要件に合わせてご提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。